专利摘要:
低価値残留ガス、好ましくはROGから出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法であって、a)低価値残留ガスが、その中に存在する望ましくない成分を除去するためにならびにエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を得るために低価値残留ガス回収装置での一連の処理工程にかけられ;b)生成物の前記混合物が、エチレンの一部を含有する、エチレンより軽質である化合物に富む画分(画分A)へ、エチレンに富む画分(画分B)へおよび重質画分(画分C)へ分離され;c)画分Aおよび画分Bが別々に少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される方法。
公开号:JP2011513270A
申请号:JP2010548081
申请日:2009-02-20
公开日:2011-04-28
发明作者:マッシモ ジアンサンテ,;ミシェル ストレベル,;ドミニク バルタザール,;アンドレ プティジャン,;ミシェル ランプルール,
申请人:ソルベイ(ソシエテ アノニム)Solvay S.A.;
IPC主号:C07C17-156
专利说明:

[0001] 本発明は、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法に、特に1,2−ジクロロエタン(DCE)のおよびDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法に関する。]
背景技術

[0002] 今日まで、99.8%純度を超えるエチレンが、エチレン誘導体化合物の、特にDCEの製造のために通常使用されている。非常に高い純度のこのエチレンは、様々な石油製品の分解、引き続く分解の他の生成物からエチレンを単離し、そして非常に高い純度の製品を得るための多数の複雑な、費用のかかる分離操作によって得られる。]
[0003] かかる高純度のエチレンの生産に関連した高いコストを鑑みて、99.8%未満の純度を有するエチレンを使用する、エチレン誘導体化合物、特にDCEの様々な製造方法が開発されてきた。これらの方法は、分解から生じた生成物を分離する過程を簡略化することによって、このようにしてエチレン誘導体化合物、特にDCEの製造にとって何の利益もない複雑な分離を放棄することによってコストを削減するという利点を有する。]
[0004] 例えば、国際公開第00/26164号パンフレットは、エチレンの塩素化と結び付いたエタンの簡略化分解によるDCEの製造方法を記載している。この趣旨で、エチレン塩素化工程は、エタンの分解中に得られた不純物の存在下に行われる。]
[0005] 国際公開第03/048088号パンフレットは、エタンの脱水素を用いた塩素との化学反応用の低濃度エチレンの製造を記載している。エタン負荷ガス流れは、水素およびメタンのみならず、多量の未転化エタンをも含有する。この方法の経済的デザインのためには、未転化エタンは、複雑な清浄化工程の後にエタン脱水素にフィードバックしなければならない。この方法は、供給原料としてエタンを使用できるにすぎない。重大な不利点は、水素、プロピレン、ブタジエンなどのガス流れのさらなる成分が非常に特別なプロセスでエチレンを使用するのを可能にするにすぎないという事実だけでなく、エチレンの非常に低い濃度−60%未満−である。]
[0006] さらに、国際公開第2006/067188号パンフレット、同第2006/067190号パンフレット、同第2006/067191号パンフレット、同第2006/067192号パンフレット、同第2006/067193号パンフレットおよび同第2007/147870号パンフレットは、先ず簡略化分解にかけられる、炭化水素源、特にナフサ、ガスオイル、天然ガス液、エタン、プロパン、ブタン、イソブタンまたはそれらの混合物から出発するDCEの製造方法を記載している。国際公開第2008/000705号パンフレット、同第2008/000702号パンフレットおよび同第2008/000693号パンフレットは、一方で、先ず接触オキシ脱水素にかけられるエタンの流れから出発するDCEの製造方法を記載している。その目標が99.8%未満の純度を有するエチレンを製造し、使用することである、上述の特許出願に記載されている方法は、しかしながら、生産コストの増大をもたらす重大な投資を必要とする分解のまたは接触オキシ脱水素の第1工程を必要とするという、およびさらに高価な炭化水素源の使用を伴うという不利点を示す。]
[0007] 製油所で(製油所の流動接触分解(FCC)装置、コーカー装置などで)生成する製油所オフガス(石油化学オフガスとも呼ばれる)などの低価値残留ガスは通常、オレフィン含有率が比較的低く、かつ、かかる回収プロセスと関連したコストが余りにも高いので、それに含有されるオレフィンのいかなる回収もなしに、例えば製油所内で、燃やされ、燃料として使用されている。]
発明が解決しようとする課題

[0008] 本発明の目標は、一方で、99.8%未満の純度のエチレンを使用する、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の、特に少なくともDCEの製造方法であって、99.8%未満の純度を有するエチレンを使用する上述の方法の不利点を示さず、かつ、通常燃やされ、燃料として使用されている製油所オフガスなどの低価値残留ガスの付加価値化(valorization)を可能にする方法を提供することである。]
課題を解決するための手段

[0009] この趣旨で、本発明は、低価値残留ガスから出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法であって、
a)低価値残留ガスが、その中に存在する望ましくない成分を除去するためにならびにエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を得るために低価値残留ガス回収装置での一連の処理工程にかけられ;
b)生成物の前記混合物が、エチレンの一部を含有する、エチレンより軽質である化合物に富む画分(画分A)へ、エチレンに富む画分(画分B)へおよび重質画分(画分C)へ分離され;
c)画分Aおよび画分Bが別々に少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される
方法に関する。]
実施例

[0010] 表現「少なくとも1つのエチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、1つ以上のエチレン誘導体化合物が本発明による方法によって製造され得ることを意味すると理解される。]
[0011] 単数形でまたは複数形で本明細書で以下用いられる、表現「エチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから出発して直接製造される任意のエチレン誘導体化合物ならびにそれから誘導される任意の化合物を意味すると理解される。]
[0012] 単数形でまたは複数形で本明細書で以下用いられる、表現「エチレンから出発して直接製造されるエチレン誘導体化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから直接製造される任意の化合物を意味すると理解される。]
[0013] 単数形でまたは複数形で本明細書で以下用いられる、表現「それから誘導される化合物」は、本発明の目的のためには、エチレンから製造される1つの化合物そのものから製造される任意の化合物ならびにそれから誘導される任意の化合物を意味すると理解される。]
[0014] エチレンから出発して直接製造されるかかるエチレン誘導体化合物の例として、とりわけ、エチレンオキシド、線状アルファ−オレフィン、線状第一級アルコール、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、エチルベンゼン、酢酸ビニル、アセトアルデヒド、エチルアルコール、プロピオンアルデヒドおよびDCEが挙げられてもよい。]
[0015] それから誘導されるかかる化合物の例として、とりわけ、
−エチレンオキシドから製造されるグリコールおよびエーテル、
−エチルベンゼンから製造されるスチレンおよびスチレンから誘導されるスチレンのポリマー、
−DCEから製造されるVC、
− VCから誘導される塩化ビニリデン、フッ素化炭化水素およびPVCならびにフッ素化炭化水素から誘導されるフッ素化ポリマー、ならびに
− 塩化ビニリデンから誘導されるポリ塩化ビニリデンおよびフッ素化炭化水素(およびフッ素化ポリマー)
が挙げられてもよい。]
[0016] 本発明による方法は、低価値残留ガスから出発する方法である。]
[0017] 単数形で本明細書で以下用いられる、表現「低価値残留ガス」(LVRG)は、本発明の目的のためには、その目標が少なくとも1つの可燃性液体を製造することである装置で副生物として生成するオフガスである、エチレンおよび/またはそれの前駆体を含有する1つのガスまたは数種のガスの混合物を意味すると理解され;LVRGは、10重量%超の永久ガスから構成される。]
[0018] 表現「ガス」は、本発明の目的のためには、爆発予防システム(Explosion Prevention Systems)に関するNFPA69標準(NFPA69 Standard)、1997年版によって与えられる定義、すなわち、完全な分子運動性および無制限の拡大で特徴づけられる物質の状態の意味で理解されるべきである。]
[0019] 表現「前駆体」は、本発明の目的のためには、エチレン以外の2個の炭素原子を含有する任意の炭化水素化合物、特にエタン、エタノールおよびアセチレン、より特にエタンおよびアセチレンを意味すると理解される。]
[0020] 表現「可燃性液体」は、本発明の目的のためには、その封入圧力下に21℃で少なくとも部分的に液体であり、かつ、燃焼を受けることができる、炭素、水素および多分酸素を含有する任意の炭化水素画分を意味すると理解される。]
[0021] 表現「燃焼」は、本発明の目的のためには、Explosion Prevention Systemsに関するNFPA69 Standard、1997年版によって与えられる定義、すなわち、白熱か火炎かのどちらかの形態で、熱および通常光を生成するのに十分に速い速度で起こる酸化の化学プロセスの意味で理解されるべきである。]
[0022] 表現「永久ガス」は、本発明の目的のためには、その臨界温度が0℃未満であり、かつ、簡単な圧縮によって液化できない任意のガスを意味すると理解される。永久ガスの例は、水素、酸素、窒素、アルゴン、一酸化炭素およびメタンである。]
[0023] LVRGは、可燃性液体を製造するために炭化水素源を処理する少なくとも1種類の装置で製造することができる。かかる装置は、炭化水素源熱分解、水素化熱分解、接触熱分解、電気アーク熱分解、フィッシャー−トロプシュ(Fischer−Tropsch)合成または製油装置であり得る。炭化水素源は、石炭、褐炭および木材のような固体源、油(石油)およびナフサのような液体源、または合成ガスまたは油田および/またはガス田からの残留ガスのようなガス状源であり得る。かかるLVRGは通常、燃料として燃やされるかまたはフレアにされる。]
[0024] 表現「炭化水素源を処理する少なくとも1種類の装置」は、本発明の目的のためには、LVRGが炭化水素源を処理する1種類の装置で、または炭化水素源を処理する数種類の装置で製造できることを意味すると理解される。好ましくは、LVRGは、炭化水素源を処理する1種類の装置で製造される。]
[0025] LVRGは有利には、大気圧より上の圧力に、好ましくは大気圧とそれが発生する装置の圧力との間に含まれる圧力にある。]
[0026] 本発明による方法にとって特に好ましいLVRGは、通常製油所オフガスと呼ばれる(石油化学オフガスとも呼ばれる)、本明細書で以下ROGと称される、製油所で生成するLVRGである。]
[0027] 本発明による方法はそれ故好ましくは、ROGから出発する方法である。]
[0028] ROGは、製油所に存在する1つ以上の装置で製造することができる。ROGは好ましくは、製油所に存在する次の装置:流動接触分解(FCC)、コーカー(ディレードコーカー、フルードコーカー、フレキシコーカー)、ガスプラント、改質装置、水素添加分解装置、水素化処理装置および水素化脱硫(HDS)の少なくとも1つで製造される。ROGはより好ましくは、少なくとも1つのFCC装置で製造される。]
[0029] ROGは、1つの製油所でまたは幾つかの製油所で製造することができる。]
[0030] 最も好ましくは、ROGは、1つの製油所で、特に好ましくは1つのFCC装置で製造される。]
[0031] LVRG、好ましくはROGは通常、とりわけ:
−水素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素、重質C6+および硫化水素;
−窒素、アルゴン、二酸化炭素および水;
−酸素、一酸化炭素および窒素酸化物;
−塩化水素、シアン化水素、アンモニア、窒化物、ニトリル、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物、ジスルフィドのような2原子以上の硫黄を含有する有機化合物、硫黄酸化物、アセチレン、プロパジエン、メチルアセチレン、ブタジエン、ジエタノールアミン、メタノール、ホスフィン、塩素を含有する他の無機化合物および窒素を含有する有機化合物;ならびに
−ヒ素(アルシンのような)、水銀、バナジウム、臭素、フッ素、ケイ素、アルミニウムおよび金属カルボニル
を含む。]
[0032] エチレンを除いて上述の成分は全て、望ましくない成分と称することができる。表現「望ましくない成分」は、本発明の目的のためには、それらが本方法の以下の工程の少なくとも1つにとって有害である場合に、少なくとも部分的に除去されるべきである成分全てを意味すると理解される。]
[0033] これらの望ましくない成分は、とりわけ:
−水素、メタン、エタン、プロパン、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素、重質C6+のような可燃性ガス;
−窒素およびアルゴンのような不活性ガス;
−酸素および窒素酸化物のような含酸素合物;
−二酸化炭素、硫化水素、水、塩化水素、シアン化水素、アンモニア、窒化物、ニトリル、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物ならびに硫黄酸化物のような腐食性化合物;
−プロピレン、アセチレン、プロパジエン、メチルアセチレン、ブタジエン、ジエタノールアミン、メタノール、ホスフィン、塩素を含有する他の無機化合物、窒素を含有する有機化合物、ジスルフィドのような1分子当たり2原子以上の硫黄を含有する有機化合物ならびに一酸化炭素のような反応性化合物;ならびに
−ヒ素(アルシンのような)、水銀、バナジウム、臭素、フッ素、ケイ素、アルミニウムおよび金属カルボニルのような触媒毒化合物
のように分類することができる。]
[0034] これらの望ましくない成分はまた、とりわけ:
1.少なくとも工程b)にとって有害であり得る、かつ、有利には工程a)中に実質的に除去される望ましくない成分、すなわち、
−二酸化炭素、硫化水素、水、塩化水素、シアン化水素、アンモニア、窒化物、ニトリル、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物ならびに硫黄酸化物のような腐食性化合物;
−ヒ素(アルシンのような)、水銀、バナジウム、臭素、フッ素、ケイ素、アルミニウムおよび金属カルボニルのような触媒毒化合物。
2.工程b)内では受け入れることができるが、工程b)に続く本方法の工程の少なくとも1つにとって有害であり得る、かつ、工程a)中に少なくとも部分的に多分除去することができる望ましくない成分、すなわち、
−水素、メタン、エタン、プロパン、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素、重質C6+のような可燃性ガス;
−窒素およびアルゴンのような不活性ガス;
−酸素および窒素酸化物のような含酸素合物;ならびに
−プロピレン、アセチレン、プロパジエン、メチルアセチレン、ブタジエン、ジエタノールアミン、メタノール、ホスフィン、塩素を含有する他の無機化合物、窒素を含有する有機化合物、ジスルフィドのような1分子当たり2原子以上の硫黄を含有する有機化合物ならびに一酸化炭素のような反応性化合物
のように分類することができる。]
[0035] 表現「少なくとも部分的に除去される」は、本発明の目的のためには、工程a)に供給されるおよび/または工程a)中に形成される、LVRG、好ましくはROG中に存在する各望ましくない成分の量の有利には少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%が除去されることを意味すると理解される。有利には、工程a)に供給されるおよび/または工程a)中に形成される、LVRG、好ましくはROG中に存在するかかる各望ましくない成分の量の多くとも90%が除去される。]
[0036] 表現「実質的に除去される」は、本発明の目的のためには、工程a)に供給されるおよび/または工程a)中に形成される、LVRG、好ましくはROG中に存在する各望ましくない成分の量の有利には少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%が除去されることを意味すると理解される。]
[0037] LVRG、好ましくはROGについて本明細書で以下与えられる組成は、乾燥ガス基準(水が含まれない)で表される。上述のように、LVRG、好ましくはROGは、エチレンおよび/またはそれの前駆体を含有する1つのガスまたは数種のガスの混合物(組み合わせLVRG)であることができる。個々のLVRG、好ましくはROGについて言及するときに本明細書で以下与えられる組成は、LVRG、好ましくはROGがエチレンおよび/またはそれの前駆体を含有する1つのガスである場合に相当する。組み合わせLVRG、好ましくはROGについて言及するとき、組成は、LVRG、好ましくはROGがエチレンおよび/またはそれの前駆体を含有する数種のガスの混合物である場合に相当する。]
[0038] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には0.25〜60重量%のエチレンを含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には少なくとも0.25重量%、好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも8重量%、特に好ましくは少なくとも10重量%のエチレンを含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも60重量%、好ましくは多くとも55重量%、より好ましくは多くとも50重量%、最も好ましくは多くとも48重量%のエチレンを含む。]
[0039] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には10〜60重量%のエチレンを含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも18重量%、最も好ましくは少なくとも20重量%のエチレンを含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも60重量%、好ましくは多くとも55重量%、より好ましくは多くとも50重量%、最も好ましくは多くとも48重量%のエチレンを含む。]
[0040] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には3〜60重量%のエチレンとその前駆体を含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には少なくとも3重量%、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも8重量%、最も好ましくは少なくとも10重量%のエチレンとその前駆体を含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも60重量%、好ましくは多くとも55重量%、より好ましくは多くとも50重量%、最も好ましくは多くとも48重量%のエチレンと前駆体を含む。]
[0041] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には10〜60重量%のエチレンとその前駆体を含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも20重量%、最も好ましくは少なくとも22重量%、さらに最も好ましくは少なくとも22.5重量%のエチレンと前駆体を含む。LVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも60重量%、好ましくは多くとも55重量%、より好ましくは多くとも50重量%、最も好ましくは多くとも48重量%のエチレンと前駆体を含む。]
[0042] 個々のLVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には10〜90MJの範囲の低位発熱量で特徴づけられる。LVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には少なくとも10MJ、好ましくは少なくとも12MJ、より好ましくは少なくとも15MJの低位発熱量で特徴づけられる。LVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には多くとも90MJ、好ましくは多くとも85MJ、より好ましくは多くとも80MJの低位発熱量で特徴づけられる。]
[0043] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には20〜75MJの範囲の低位発熱量で特徴づけられる。LVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には少なくとも20MJ、好ましくは少なくとも25MJ、より好ましくは少なくとも30MJ、最も好ましくは少なくとも35MJの低位発熱量で特徴づけられる。LVRG、好ましくはROGは、乾燥ガス1kg当たり有利には多くとも75MJ、好ましくは多くとも70MJ、より好ましくは多くとも60MJ、最も好ましくは多くとも55MJの低位発熱量で特徴づけられる。]
[0044] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも90体積%、好ましくは多くとも85体積%、より好ましくは多くとも80体積%、最も好ましくは多くとも75体積%の不活性ガスを含む。]
[0045] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも25体積%、好ましくは多くとも20体積%、より好ましくは多くとも18体積%、最も好ましくは多くとも15体積%の不活性ガスを含む。]
[0046] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも25体積%、好ましくは多くとも20体積%、より好ましくは多くとも18体積%、最も好ましくは多くとも15体積%の窒素を含む。]
[0047] 個々のLVRG、好ましくはROGは、ガス混合物を可燃性にするのに必要とされるレベルより有利には低いまたは高い(だから可燃性領域の外側の)、好ましくは多くとも21体積%、より好ましくは多くとも18体積%、最も好ましくは多くとも15体積%の総量で含酸素合物を含む。]
[0048] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利にはガス混合物を可燃性にするのに必要とされるレベルより低い、好ましくは多くとも10体積%、より好ましくは多くとも7体積%、最も好ましくは多くとも5体積%の総量で含酸素合物を含む。]
[0049] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも9体積%、好ましくは多くとも7体積%、より好ましくは多くとも5体積%の量で酸素を含む。]
[0050] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも50体積%、好ましくは多くとも40体積%、より好ましくは多くとも35体積%の総量で腐食性化合物を含む。]
[0051] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも20体積%、好ましくは多くとも15体積%、より好ましくは多くとも10体積%の総量で腐食性化合物を含む。]
[0052] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも10体積%、好ましくは多くとも8体積%、より好ましくは多くとも5体積%の個々の量で各腐食性化合物を含む。]
[0053] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも40体積%、好ましくは多くとも35体積%、より好ましくは多くとも33体積%の総量で反応性化合物を含む。]
[0054] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも20体積%、好ましくは多くとも18体積%、より好ましくは多くとも15体積%の総量で反応性化合物を含む。]
[0055] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも15体積%、好ましくは多くとも12体積%、より好ましくは多くとも10体積%の個々の量で各反応性化合物を含む。]
[0056] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも5体積%、好ましくは多くとも3体積%、より好ましくは多くとも2体積%の量で一酸化炭素を含む。]
[0057] 個々のLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも200体積ppm、好ましくは多くとも100体積ppm、より好ましくは多くとも50体積ppmの総量で触媒毒化合物を含む。]
[0058] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも5体積ppm、好ましくは多くとも2体積ppm、より好ましくは多くとも1体積ppmの総量で触媒毒化合物を含む。]
[0059] 組み合わせLVRG、好ましくはROGは、有利には多くとも500体積ppb、好ましくは多くとも300体積ppb、より好ましくは多くとも200体積ppbの個々の体積で触媒毒化合物を含む。]
[0060] 本発明による、LVRG、好ましくはROGから出発する、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法、特にDCEのおよびDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法において、LVRG、好ましくはROGは、その中に存在する望ましくない成分を除去するためにならびに工程b)にかけられるエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を得るためにLVRG、好ましくはROG回収装置で一連の処理工程(工程a))にかけられる。]
[0061] LVRG、好ましくはROGが数種のガスの混合物であるとき、異なるガスが全て工程a)における同じ一連の処理工程にかけられてもよく、それらのそれぞれが工程a)における専用の一連の処理工程にかけられてもよいかまたはそれらのそれぞれが、工程a)における専用の一連の処理工程と共通の一連の処理工程との組み合わせにかけられてもよい。好ましくは、それらのそれぞれが工程a)における専用の一連の処理工程と共通の一連の処理工程との組み合わせにかけられる。]
[0062] 工程a)におけるLVRG、好ましくはROG回収装置での一連の処理工程は有利には、それらが列挙される順番に必ずしも行われない、以下の工程:
a1)任意選択的に圧縮工程、
a1bis)任意選択的に1つまたは幾つかの除塵工程、
a2)腐食性化合物除去、
a3)触媒毒化合物除去、
a4)任意選択的に冷却、
a5)任意選択的に可燃性ガスの幾つかの少なくとも部分的な除去、
a6)任意選択的に不活性ガスの幾つかの少なくとも部分的な除去、
a7)任意選択的に含酸素化合物の幾つかの少なくとも部分的な除去;および
a8)任意選択的に反応性化合物の幾つかの少なくとも部分的な除去
からなる。]
[0063] 圧縮工程(工程a1))は任意選択的に行われる。]
[0064] 存在するとき、LVRG、好ましくはROGの圧縮工程は有利には、圧力を少なくとも8kg/cm2・g、好ましくは少なくとも10kg/cm2・g、より好ましくは少なくとも12kg/cm2・g、最も好ましくは少なくとも14kg/cm2・gに、そして有利には高くても60kg/cm2・g、好ましくは高くても55kg/cm2・g、より好ましくは高くても50kg/cm2・g、最も好ましくは高くても45kg/cm2・gに上げる。]
[0065] 工程a1)は好ましくは、多段ガス圧縮機でか幾つかの圧縮機でかのどちらかで、数段階で行われる。液滴分離は好ましくは圧縮工程a1)の前に行われる。]
[0066] 各圧縮段階での圧縮比は、圧縮段階の出口での温度が有利には高くても150℃の、好ましくは高くても120℃の、より好ましくは高くても100℃のものであるようなものである。この段階を出るガスは後で有利には、冷却媒体での間接冷却によって冷却される。冷却媒体は有利には、冷却塔水、冷水、大気空気およびプロセスから出るより冷たいガスの中から選択される。冷却媒体は好ましくは、冷却塔水および大気空気の中から選択される。冷却流体はより好ましくは冷却塔水である。]
[0067] ガスは有利には、50℃より下、好ましくは48℃より下、より好ましくは45℃より下に、しかし有利には、0℃以上、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上に冷却される。]
[0068] 冷却の終わりに、幾らかの凝縮物が生成し得るであろう。幾らかの凝縮物が生成する場合、それらは分離できるかまたは分離できない。それらは好ましくは分離される。凝縮物は有利には、圧力放出、好ましくは上流段階の圧力での圧力放出によって脱ガスされる。分離した液体のストリッピングは、揮発性画分を回収するために行うことができる。生成したガスはより好ましくは、上流段階のガスと共にリサイクルされる。]
[0069] ガス中に存在するかまたは前処理工程のいずれかによって発生した固体粒子は任意選択的に、好適な操作、すなわち、1つまたは幾つかの除塵工程(除塵工程a1bis))によって除去することができる。好適な操作の中に、例えば、重力沈降、衝突、サイクロンの使用、濾過、エレクトロ濾過および/または電気沈殿が挙げられてもよい。サイクロンの使用、濾過およびエレクトロ濾過が好ましい。]
[0070] 腐食性化合物除去(工程a2))は、それぞれが1つまたは幾つかの工程を含む、1つまたは幾つかのグループの工程で行われてもよい。]
[0071] 第1グループの工程(工程a2a))は有利には、吸収の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0072] 吸収は有利には、アミン(好ましくはアルカノールアミン)溶液のような再生可能な溶液での吸収、メタノールもしくはジメチルエーテルポリエチレングリコールのような好適な溶媒での物理吸収、またはアルカリ性溶液でガス洗浄することによって行われる化学反応での吸収である。]
[0073] アルカリは好ましくは水酸化物、酸化物または炭酸塩である。アルカリの例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。]
[0074] 吸収による腐食性化合物除去(工程a2a))は好ましくは、アミン、好ましくはアルカノールアミンの再生可能な溶液での吸収、引き続くアルカリ性溶液(苛性/水洗浄塔)、好ましくは水酸化ナトリウム溶液での吸収である第1工程を含む。]
[0075] 再生可能な溶液は、再生されてもされなくてもよい。再生が行われる場合、それは有利には、特に二酸化炭素と硫化水素とを分離するために、1つまたは幾つかの段階で起こる。再生可能な溶液は好ましくは再生され、より好ましくは2段階で再生される。]
[0076] 吸収による腐食性化合物除去(工程a2a))はより好ましくは、2段階で再生される、アミン、好ましくはアルカノールアミンの再生可能な溶液での吸収、引き続くアルカリ性溶液(苛性/水洗浄塔)、好ましくは水酸化ナトリウム溶液での吸収である第1工程を含む。]
[0077] かかる工程a2a)によって少なくとも部分的に除去することができる腐食性化合物は有利には、硫化水素、塩化水素、硫化カルボニル、シアン化水素、二酸化炭素、アンモニアならびにメルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物である。]
[0078] あるいはまた、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物、アンモニアならびに硫黄酸化物は、工程a2a)中に少なくとも部分的に加水分解することができる。]
[0079] 水はまた、メタノールのような物理吸着剤が使用される場合、かかる工程a2a)によって少なくとも部分的に除去することができる。]
[0080] 第2グループの工程(工程a2b))は有利には、水素化の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0081] 例えば、シアン化水素、窒化物、ニトリル、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物ならびに硫黄酸化物などの腐食性化合物の水素化は有利には、水素化触媒を使用することによって水素化反応器で行われる。工程a2b)後に、シアン化水素、窒化物、ニトリル、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物ならびに硫黄酸化物は有利には、少なくとも部分的に水素化される。]
[0082] 好適な触媒種には有利には、VIII族の金属、Ib族の金属およびVIb族の金属が含まれる。パラジウムを、ニッケルをまたは金をベースとする触媒が好ましい。パラジウムをまたはニッケルをベースとする触媒がより好ましい。ニッケルベースの触媒、特に好ましくは硫化されたニッケル触媒が最も好ましい。水素化触媒は担持されていてもされていなくてもよい。それらは好ましくは担持されている。工程a7)について明示されるものなどの触媒がまた使用されてもよい。]
[0083] 硫化カルボニルは、水素化供給物中に依然として存在する場合、有利には、好ましくはパラジウムまたはニッケルベースの触媒で、より好ましくは硫化されたニッケル触媒で、水素化工程a2b)中に、少なくとも部分的にメルカプタンへ転化される。]
[0084] 水素化供給物中に存在するニトリルはまた有利には、好ましくはパラジウムまたはニッケルベースの触媒で、より好ましくは硫化されたニッケル触媒で、水素化工程a2b)中にアミンへ少なくとも部分的に転化される。]
[0085] シアン化水素は、水素化供給物中に依然として存在する場合、有利には、好ましくはパラジウムまたはニッケルベースの触媒で、より好ましくは硫化されたニッケル触媒で、水素化工程a2b)中に、少なくとも部分的に除去される。]
[0086] 工程a2b)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0087] 第3グループの工程(工程a2c))は、1つまたは幾つかの冷却工程を含む。]
[0088] 冷却は有利には、冷却媒体での直接または間接冷却によって行われる。直接冷却とは、冷却媒体とのプロセス流れの物理的接触を意味する。直接接触冷却のための好適な冷却媒体の例は、水、メタノール、炭化水素またはそれらの混合物である。好適な冷却媒体の他の例は、アルカノールアミン、金属炭酸塩もしくは重炭酸塩、硫酸または硝酸のような無機酸の水溶液である。好適な媒体の他の例は、アルカノールアミンまたは金属炭酸塩もしくは重炭酸塩のメタノール溶液である。好ましくは、冷却媒体は、流れ温度より低い温度にある。冷却は好ましくは、冷却媒体での間接冷却によって行われる。冷却媒体は有利には、冷却塔水、冷水、大気空気およびプロセスから出るより冷たいガスの中から選択される。冷却媒体は好ましくは、冷却塔水および大気空気の中から選択される。冷却流体はより好ましくは冷却塔水である。]
[0089] ガスは有利には、50℃より下、好ましくは48℃より下、より好ましくは45℃より下に、しかし有利には、0℃以上、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上に冷却される。あるいはまた、凍結乾燥工程を乾燥するために用いることができる。]
[0090] 凝縮物は分離することもしないこともできる。それらは好ましくは分離される。]
[0091] 第4グループの工程(工程a2d))は有利には、吸着の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0092] 吸着は有利には、活性炭、チャーコール、モレキュラーシーブ、ゼオライト、シリカゲルまたはアルミナのような好適な固体上への吸着である。]
[0093] 水吸着は有利には、モレキュラーシーブ、シリカゲルまたはアルミナ上への吸着工程によって少なくとも部分的に実現される。]
[0094] 好ましくは、水除去は、冷却(工程a2c))と吸着(工程a2d))との組み合わせによって少なくとも部分的に行われる。]
[0095] 硫化カルボニル、硫化カルボニルならびにスルフィドから誘導されるメルカプタンは有利には、好適な材料の床での吸着によって少なくとも部分的に除去される。好適な吸着剤には有利には、活性炭および特に500〜2500m2/gの比面積を有する活性炭などの炭素質材料、モレキュラーシーブ3、4Aまたは13X、ゼオライト、150m2/g〜800m2/gの比BET表面積のメソ多孔性活性アルミナなどの活性アルミナをはじめとするメソ多孔性吸着剤、シリカゲル、150m2/g〜800m2/gの比BET表面積のメソ多孔性シリカゲル吸着剤、タイプAゼオライト、タイプ5Aゼオライト、タイプXフォージャサイトゼオライト、タイプYフォージャサイトゼオライトおよびMFIゼオライトが含まれる。活性炭、モレキュラーシーブ3または4Aおよび活性アルミナが好ましい。]
[0096] 残留ニトリルだけでなくニトリルから誘導されたアミンは有利には、メルカプタンを除去するためのものと同じ種類の吸着剤での吸着によって少なくとも部分的に除去される。窒化物はまた、工程a2d)中に少なくとも部分的に吸着される可能性がある。]
[0097] アンモニアはまた、既に除去されていない場合、有利には、メルカプタンを除去するためのものと同じ種類の吸着剤での吸着によって少なくとも部分的に除去される。]
[0098] 二酸化炭素はまた、工程a2a)中に除去されなかった場合、有利には、好適な吸着剤上での吸着によって少なくとも部分的に除去することができる。好適な吸着剤には、活性銅、鉱物粘土、シリカゲルおよび活性アルミナが含まれる。]
[0099] 触媒毒化合物除去(工程a3))は、それぞれが1つまたは幾つかの工程を含む、1つまたは幾つかのグループの工程で行われてもよい。]
[0100] 第1グループの工程(工程a3a))は有利には、吸着の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0101] 吸着は有利には、活性炭、チャーコール、モレキュラーシーブ、ゼオライトまたは活性化されているもしくは活性化されていないアルミナのような好適な固体上への化学的または物理的吸着である。]
[0102] 好ましくは、触媒毒化合物は、好ましくは活性化された、アルミナ上への、または活性炭上への化学的または物理的吸着によって少なくとも部分的に除去される。]
[0103] 有利には少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの吸着剤が、吸着のために使用される。有利には多くとも6つ、好ましくは多くとも5つ、より好ましくは多くとも4つの吸着剤が吸着のために使用される。最も好ましくは3つの吸着剤が使用される。]
[0104] ガス流れは、任意の好適な装置で固体吸着剤と接触させることができる。空気圧搬送移動床および固定床を好適な装置として挙げることができる。固定床が好ましい。]
[0105] 吸着剤は、混床にまたは専用床に配置することができる。それらは、単一容器にまたは分離容器に配置することができる。吸着剤は好ましくは、専用床に、より好ましくは3つの専用床に、好ましくは分離容器に配置される。]
[0106] 各吸着工程は、1つまたは幾つかの並列床で実現することができる。各吸着工程は好ましくは、幾つかの並列床で、より好ましくは少なくとも2つの分離床で実現される。]
[0107] 再生は、装置そのものでまたは装置の外側で実現することができる。再生は好ましくは装置そのもので実現される。]
[0108] 第2グループの工程(工程a3b))は有利には、吸収の1つまたは幾つかの段階を含む。]
[0109] 吸収は有利には、例えば、ジメチルエーテルポリエチレングリコールもしくはメタノールのような好適な溶媒での、物理吸収、または例えば、工程a2a)について記載されたようなアルカリ性水溶液での、化学吸収である。]
[0110] 工程a3)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0111] 工程a2c)に加えて、冷却工程(工程a4))が任意選択的に冷却媒体での間接冷却によって行われる。冷却媒体は有利には、冷却塔水、冷水、エチレン、エタン、プロピレン、プロパンもしくはそれらの2つ以上の混合物などの炭化水素、CO2、ハイドロフルオロカーボン冷媒、大気空気およびプロセスから出るより冷たいガスの中から選択される。冷却媒体は好ましくは、冷却塔水、エチレン、エタン、プロピレン、プロパンもしくはそれらの2つ以上の混合物などの炭化水素またはプロセスから出るより冷たいガスまたは大気空気の中から選択される。冷却媒体はより好ましくは、冷却塔水またはエチレン、エタン、プロピレン、プロパンもしくはそれらの2つ以上の混合物などの炭化水素またはプロセスから出るより冷たいガスである。]
[0112] ガスは有利には、0℃より下、好ましくは−10℃より下、より好ましくは−20℃より下に、しかし有利には、−150℃以上、好ましくは−120℃以上、より好ましくは−100℃以上に冷却される。]
[0113] 凝縮物は分離することもしないこともできる。それらは好ましくは分離される。]
[0114] 可燃性ガスの幾つかの少なくとも部分的な除去が任意選択的に行われる(工程a5))。]
[0115] 水素および/またはメタンの少なくとも一部が少なくとも部分的に除去されてもよい(工程a5a))。この除去は任意選択的に、本発明による方法の工程a)中に行われる。水素および/またはメタンの少なくとも一部を除去するためのかかる工程はまた、本発明による方法の工程b)中に、例えば工程a)に由来する生成物の混合物の分離中にまたは画分Aに関して行われてもよい。好ましくは、行われるとき、水素および/またはメタンの少なくとも一部の除去は、本発明による方法の工程a)(工程a5a))中に行われる。]
[0116] 水素および/またはメタンのための好適な分離工程は有利には、膜透過および圧力スイング吸着(PSA)である。PSAが好ましい。]
[0117] エタン、プロパンおよび/または4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素もしくは重質C6+の少なくとも一部が、有利には数工程で、少なくとも部分的に除去されてもよい(工程a5b))。]
[0118] この除去は任意選択的に、本発明による方法の工程a)中に行われる。エタン、プロパンおよび/または4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素または重質C6+の少なくとも一部を除去するためのかかる工程はまた、本発明による方法の工程b)中に、例えば工程a)に由来する生成物の混合物の分離中に行われてもよい。]
[0119] エタン、プロパンおよび/または4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素または重質C6+のための好適な分離工程は、有利には凝縮である。有利には工程a5b)は、圧縮工程a1)および/または冷却工程a2c)および/またはa4)と組み合わせられる。]
[0120] 不活性ガスの幾つかの少なくとも部分的な除去が任意選択的に行われる(工程a6))。]
[0121] この除去は任意選択的に、本発明による方法の工程a)中に行われる。不活性ガスの少なくとも一部を除去するためのかかる工程はまた、本発明による方法の工程b)中に、例えば工程a)に由来する生成物の混合物の分離中にまたは画分Aに関して行われてもよい。好ましくは、行われるとき、不活性ガスの少なくとも一部の除去は、本発明による方法の工程a)(工程a6))中に行われる。]
[0122] 不活性ガスのための好適な分離工程は有利には、膜浸透および圧力スイング吸着(PSA)である。PSAが好ましい。]
[0123] 含酸素化合物の幾つかの少なくとも部分的な除去が任意選択的に行われる(工程a7))。]
[0124] 酸素の少なくとも一部は、化学的工程によってかまたは物理的工程によって少なくとも部分的に除去することができる(工程a7a))。]
[0125] 好適な化学的工程は有利には、銅または硫化されたニッケル触媒の還元床を使用することによって、好ましくは硫化されたニッケル触媒を使用することによって行われる(工程a7a1))。]
[0126] 別の好適な化学的工程は有利には、触媒するまたはしないことができる、好ましくは触媒される水素化工程である(工程a7a2))。]
[0127] 水素化工程は、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ/アルミナ、炭素、炭酸カルシウムまたは硫酸バリウムなどの担体上に沈着されたパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀またはこれらの元素の混合物をベースとする触媒、しかしまたニッケルをベースとする触媒およびコバルト−モリブデン錯体をベースとするものなどの任意の公知の水素化触媒を用いて行われてもよい。好ましくは、水素化工程は、アルミナもしくは炭素上に沈着されたパラジウムもしくは白金をベースとする触媒を用いて、ニッケルをベースとする触媒でまたはコバルト−モリブデン錯体をベースとする触媒で行われる。特に好ましいやり方では、それはニッケルをベースとする触媒を用いて行われる。]
[0128] 水素化工程は有利には、LVRG、好ましくはROG中の利用可能な水素の一部を使用する。]
[0129] 好適な物理的工程は有利には、吸着(工程a7a3))によって、例えばPSA(圧力スイング吸着)によって、吸収(工程a7a4))によってまたは膜プロセス(工程a7a5))によって行われる。]
[0130] 工程a7a2)がより特に好ましい。]
[0131] 工程a7a)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0132] 窒素酸化物の少なくとも一部(工程a7b))は、化学的工程によってかまたは物理的工程によって少なくとも部分的に除去することができる。]
[0133] 好適な化学的工程は有利には、アンモニアまたは尿素での、好ましくは尿素での窒素酸化物除去によって行われる(工程a7b1))。]
[0134] 別の好適な化学的工程は有利には、触媒するまたはしないことができる、好ましくは触媒される水素化工程である(工程a7b2))。好適な触媒は有利には、パラジウムまたはニッケルベースの触媒、より好ましくは硫化されたニッケル触媒である。]
[0135] 水素化工程は、同じ好ましさで、酸素の水素化について明示されるものと同じ触媒を用いて行われてもよい。水素化工程は有利には、LVRG、好ましくはROG中の利用可能な水素の一部を使用する。]
[0136] 水素化は窒素酸化物除去よりも好ましい。]
[0137] 好適な物理的工程は有利には、吸着(工程a7b3))によって、例えばPSA(圧力スイング吸着)によって、吸収(工程a7b4))によってまたは膜プロセス(工程a7b5))によって行われる。好適な吸着剤には、活性銅、鉱物粘土、シリカゲルおよび活性アルミナが含まれる。]
[0138] 工程a7b2)およびa7b3)がより特に好ましい。]
[0139] 工程a7b)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0140] 反応性化合物の幾つかの少なくとも部分的な除去が任意選択的に行われる(工程a8))。]
[0141] 反応性化合物除去(工程a8))は、それぞれが1つまたは幾つかの工程を含む、1つまたは幾つかのグループの工程で行われてもよい。]
[0142] 第1グループの工程(工程a8a))は有利には、水素化の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0143] アセチレンの部分水素化は有利には、水素化触媒を使用することによってアセチレン変換器で行われる。工程a8a)後に、アセチレンは有利には、少なくとも部分的に水素化される。好適な触媒種には有利には、VIII族の金属、Ib族の金属およびVIb族の金属が含まれる。パラジウムを、ニッケルをまたは金をベースとする触媒が好ましい。パラジウムをまたはニッケルをベースとする触媒がより好ましい。ニッケルベースの触媒、特に好ましくは硫化されたニッケル触媒が最も好ましい。水素化触媒は担持されていてもされていなくてもよい。それらは好ましくは担持されている。言い換えれば、工程a2b)について明示されるものなどの触媒が使用されてもよい。]
[0144] 水素化供給物中に存在する窒素を含有する有機化合物は有利には、パラジウムまたはニッケルベースの触媒で、より好ましくは硫化されたニッケル触媒で、水素化工程a8a)中に少なくとも部分的に除去される。]
[0145] ジスルフィドのような2原子以上の硫黄を含有する有機化合物は、工程a8a)中に部分的に水素化することができる。]
[0146] メチルアセチレン、プロパジエンおよびブタジエンをはじめとする水素化供給物中に存在するより高級のアセチレン化合物は有利には、好ましくはパラジウムまたはニッケルベースの触媒で、より好ましくは硫化されたニッケル触媒で、工程a8a)中に少なくとも部分的に水素化される。]
[0147] 工程a8a)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0148] 第2グループの工程(工程a8b))は有利には、吸着の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0149] 吸着は有利には、他の望ましくない成分を少なくとも部分的に除去するために化学的に特異な吸着剤で行われる。]
[0150] ジスルフィドのような2原子以上の硫黄を含有する有機化合物は有利には、好適な材料の床での吸着によって少なくとも部分的に除去される。好適な吸着剤には有利には、活性炭および特に500〜2500m2/gの比面積を有する活性炭などの炭素質材料、モレキュラーシーブ3、4Aまたは13X、ゼオライト、150m2/g〜800m2/gの比BET表面積のメソ多孔性活性アルミナなどの活性アルミナをはじめとするメソ多孔性吸着剤、シリカゲル、150m2/g〜800m2/gの比BET表面積のメソ多孔性シリカゲル吸着剤、タイプAゼオライト、タイプ5Aゼオライト、タイプXフォージャサイトゼオライト、タイプYフォージャサイトゼオライトおよびMFIゼオライトが含まれる。活性炭、モレキュラーシーブ3または4Aおよび活性アルミナが好ましい。]
[0151] ホスフィン、メタノールおよび塩素を含有する無機化合物はまた、工程a8b)中に少なくとも部分的に吸着されてもよい。]
[0152] 有利には少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの吸着剤が吸着工程a8b)のために使用される。有利には多くとも6つ、好ましくは多くとも5つ、より好ましくは多くとも4つの吸着剤が吸着工程a8b)のために使用される。最も好ましくは3つの吸着剤が使用される。実現される場合、工程a8b)は工程a3)と組み合わせるまたは組み合わせないことができよう。]
[0153] ガス流れは、任意の好適な装置で固体吸着剤と接触させることができる。空気圧搬送移動床および固定床を好適な装置として挙げることができる。固定床が好ましい。]
[0154] 吸着剤は、混床にまたは専用床に配置することができる。それらは、単一容器にまたは分離容器に配置することができる。吸着剤は好ましくは、専用床に、より好ましくは3つの専用床に、好ましくは分離容器に配置される。]
[0155] 各吸着工程は、1つまたは幾つかの並列床で実現することができる。各吸着工程は好ましくは、幾つかの並列床で、より好ましくは少なくとも2つの分離床で実現される。]
[0156] 再生は、装置そのものでまたは装置の外側で実現することができる。再生は好ましくは装置そのもので実現される。]
[0157] 工程a8b)は有利には25〜100℃の温度で行われる。]
[0158] 第3グループの工程(工程a8c))は有利には、吸収の1つまたは幾つかの工程を含む。]
[0159] 吸収は有利には、とりわけ、ジスルフィドのような1分子当たり2原子以上の硫黄を含有する有機化合物を少なくとも部分的に除去するために、好適な溶媒で、例えば、ジメチルエーテルポリエチレングリコールで行われる。]
[0160] ジエタノールアミンおよびメタノールは有利には、工程a8c)中に少なくとも部分的に除去することができる。]
[0161] 前述の異なる工程は、それらが列挙される順番に必ずしも行われない。それらは、任意の他の順番に実現することができる。]
[0162] しかしながら、工程a4)は有利には、処理工程の最後の工程である。]
[0163] 水素化工程a2b)、a7a2)、a7b2)およびa8a)の全てまたは幾つかは有利には組み合わせることができる。吸着工程a3a)、a7a3)、a7b3)およびa8b)の全てまたは幾つかは有利には組み合わせることができる。吸収工程a2a)、a3b)、a7a4)、a7b4)およびa8c)の全てまたは幾つかは有利には組み合わせることができる。]
[0164] 処理工程a2)およびa3)が行われる好ましい順番は:
1.工程a3a)、
2.工程a3b)、
3.工程a2b)、
4.工程a2a)、
5.工程a2c)、そして
6.工程a2d)
である。]
[0165] 任意選択的な圧縮工程a1)が行われるとき、工程a3a)、a3b)、a2b)およびa2c)は好ましくは、最後の圧縮段階の前に挿入される。任意選択的な除塵工程a1bis)が行われるとき、それは好ましくは工程a2d)の後である。]
[0166] 任意選択的な冷却工程a4)が行われるとき、それは好ましくは最後の工程である。]
[0167] 工程a5a)が行われるとき、それは有利には冷却工程a2c)に挿入される。]
[0168] 工程a5b)が行われるとき、それは有利には、冷却工程a2c)および/または工程a4)に置かれた幾つかの工程で行われる。]
[0169] 工程a6)が行われるとき、それは有利には冷却工程a2c)に挿入される。]
[0170] 工程a5a)および工程a6)が行われるとき、それらは有利には組み合わせられる。]
[0171] 工程a7a2)が行われるとき、それは有利には工程a2b)と組み合わせられる。]
[0172] 工程a7b2)が行われるとき、それは好ましくは工程a2b)と組み合わせられる。]
[0173] 工程a7b3)が行われるとき、それは好ましくは工程a3a)と組み合わせられる。]
[0174] 工程a8a)、a8b)およびa8c)が行われるとき、それらは有利には、それぞれ工程a2b)、a3a)およびa3b)と組み合わせられる。]
[0175] 処理工程が行われるより好ましい順番は:
1.最後のまたは独特の圧縮段階の前に挿入される以下の工程と共に工程a1)の第1段階、
2.工程a8b)および工程a7b3)と組み合わせられた工程a3a)、
3.工程a8c)と組み合わせられた工程a3b)、
4.工程a7a2)、工程a8a)および工程a7b2)と組み合わせられた工程a2b)、
5.工程a2a)、
6.工程a1)の最後の圧縮段階、
7.工程a5b)の一部と組み合わせられた工程a2c)、
8.工程a2d)、
9.工程a1bis)、そして
10.工程a5b)の一部と組み合わせられた工程a4)
である。]
[0176] 処理工程が行われる最も好ましい順番は:
1.最後のまたは独特の圧縮段階の前に挿入される以下の工程と共に工程a1)の第1段階、
2.工程a8b)および工程a7b3)と組み合わせられた工程a3a)、
3.工程a8c)と組み合わせられた工程a3b)、
4.工程a7a2)、工程a8a)および工程a7b2)と組み合わせられた工程a2b)、
5.工程a2a)、
6.工程a1)の最後の圧縮段階、
7.工程a5a)、工程a6)および工程a5b)の一部と組み合わせられた工程a2c)
8.工程a2d)、
9.工程a1bis)、そして
10.工程a5b)の一部と組み合わせられた工程a4)
である。]
[0177] 有利には、本発明による方法において、工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、水素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、4、5もしくは6個の炭素原子を含有する炭化水素および重質C6+、不活性ガス、含酸素化合物、反応性化合物および実質的に低下した量の腐食性化合物および触媒毒化合物を含む。]
[0178] 任意選択的に、不活性ガスの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。]
[0179] 任意選択的に、反応性化合物の幾つかの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。好ましくは、反応性化合物の幾つかの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。]
[0180] 任意選択的に、(エチレン以外の)可燃性ガスの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。好ましくは、エチレンの標準沸点より高い標準沸点を有する可燃性ガスの幾つかの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。有利には、エチレンの標準沸点より低い標準沸点を有する可燃性ガスの幾つかの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。より好ましくは、エチレンの標準沸点より低い標準沸点を有する可燃性ガスの幾つかの含有率、およびエチレンの標準沸点より高い標準沸点を有する可燃性ガスの幾つかの含有率は、それらの入口含有率に対して少なくとも部分的に下げられる。]
[0181] 工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物について本明細書で以下与えられる組成は、乾燥ガス基準(水が含まれない)で表される。]
[0182] 工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は有利には、少なくとも10体積%、好ましくは少なくとも15体積%、より好ましくは少なくとも20体積%のエチレンを含む。それは有利には、多くとも60体積%、好ましくは多くとも55体積%、より好ましくは多くとも50体積%のエチレンを含む。]
[0183] 工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、乾燥ガス1kg当たり有利には少なくとも30MJ、好ましくは少なくとも33MJ、より好ましくは少なくとも35MJ、最も好ましくは少なくとも37MJの低位発熱量で特徴づけられる。工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、乾燥ガス1kg当たり有利には多くとも75MJ、好ましくは多くとも70MJ、より好ましくは多くとも65MJ、最も好ましくは多くとも60MJの低位発熱量で特徴づけられる。]
[0184] 工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物中に含まれる水の分圧は、有利には水銀の55mmより低い、好ましくは25mmより低い、より好ましくは15mmより低い、最も好ましくは10mmより低い。]
[0185] 工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、工程a)に供給されるおよび/または工程a)中に形成される、LVRG、好ましくはROG中の同じ成分の量の多くとも5%、好ましくは多くとも2%、より好ましくは多くとも1%のものである量で、以下の成分、すなわち、二酸化炭素、硫化水素、硫化カルボニル、メルカプタンおよびスルフィドのような1分子当たり1原子の硫黄を含有する有機化合物、硫黄酸化物、アンモニア、窒化物、ニトリル、塩化水素、シアン化水素、水銀、ヒ素(アルシンのような)、バナジウム、臭素、フッ素、ケイ素、アルミニウムおよび金属カルボニルのそれぞれを含む。]
[0186] 上に定義された工程a)の後に、エチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物は、工程b)によって、エチレンの一部を含有する、エチレンより軽質である化合物に富む画分(画分A)へ、エチレンに富む画分(画分B)へおよび重質画分(画分C)へ分離される。]
[0187] 工程b)は有利には、エチレンを含有する2つの画分、すなわち、画分Aおよび画分B、ならびに重質画分、すなわち、画分Cを得るために最大4つの、好ましくは最大3つの分離工程を含む。]
[0188] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために工程S1と呼ばれる第1分離工程に、および工程S1’と呼ばれる第2分離工程にかけられる。]
[0189] 工程S1は有利には、主塔(塔C1と呼ばれる)内部での3つの異なる画分、すなわち、塔C1のトップで出る画分A、塔C1のボトムで出る画分Cおよび塔C1の側面から抜き取られる画分(画分F1と呼ばれる)への工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0190] 工程S1’は有利には、画分F1を2つの異なる画分、すなわち、塔C1に搬送される画分F1’と画分Bとへ分離することにある。]
[0191] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは:
−主塔C1内部での塔C1のトップでの画分Aへの、塔C1のボトムでの画分Cへのおよび塔C1の側面から抜き取られる画分F1への生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S1と、
− 塔C1に搬送される画分F1’へのおよび画分Bへの画分F1の分離にある第2分離工程S1’と
を含む。]
[0192] 特に好ましいやり方では、工程b)は上述の2つの工程を含むにすぎない。]
[0193] 塔C1へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、熱調節工程にかけられてもよい。表現熱調節工程は、エネルギーの使用を最適化する一連の熱交換、例えば、先ず冷却水で、次に氷冷水で、次に段々と冷えた流体で冷却される一連の交換器と、生成する流れの顕熱を回収するクロス交換器とでの生成物の混合物の漸次冷却を意味すると理解される。]
[0194] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S1中に塔C1へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0195] 主塔C1は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0196] 塔C1は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含有する塔から選択される。好ましくは塔C1は蒸留塔である。]
[0197] 工程S1はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0198] 塔C1は有利には、例えば少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。中間抜き取りおよび中間熱交換を可能にする装置が主塔に追加されてもよい。]
[0199] 最も揮発性の化合物に富む画分Aは有利には塔C1のトップで出るが、揮発性が最も少ない化合物に富む画分Cは有利には塔C1のボトムで出る。]
[0200] 画分F1に関しては、それは有利には、塔中を循環する液体またはスチームを集めることによって塔C1の側面から抜き取られる。この抜き取りは好ましくは液体に関して行われる。]
[0201] この抜き取りは、塔のストリッピング部でまたは精留部で行われてもよい。それは好ましくは精留部で行われる。精留部の中央第3番目での抜き取りが特に好ましい。精留部の中央第3番目での液体の抜き取りが最も特に好ましい。]
[0202] 上述の工程S1は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S1は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0203] 工程S1が行われる温度は、塔C1のトップで、有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、特に好ましいやり方では少なくとも−100℃である。それは、塔C1のトップで、有利には高くても−20℃、好ましくは高くても−30℃、特に好ましいやり方では高くても−40℃である。]
[0204] 塔C1の側面から抜き取られる画分F1は有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C1に搬送される画分F1’と画分Bとへ分離されるように分離工程S1’にかけられる。]
[0205] 画分F1は、液体状態でまたはガス状態で塔C1から抜き取られてもよい。]
[0206] 画分F1が液体状態で抜き取られる場合、それは、エバポレーターにまたは補助塔C1’に搬送されてもよい。]
[0207] 画分F1がエバポレーターに搬送される場合には、画分F1の一部は、画分F1’の形態で、有利には蒸発され、主塔C1にリサイクルされるが、他の部分は有利にはエバポレーターから抜き出され、こうして画分Bを構成する。変形として、画分F1はまた、画分Bを生成するために部分的に気化されてもよく、残りは、画分F1’の形態で、塔C1にリサイクルされる。]
[0208] 画分F1が補助塔C1’に搬送される場合には、補助塔C1’は好ましくはストリッピング塔、すなわち、たった1つのストリッピング部を含む塔である。補助塔C1’は有利には、関連補助装置、好ましくはリボイラーを備えつけられる。画分Bは有利にはそれから抜き出され、画分F1の残りは、そのときエチレンより揮発性である不純物(H2、CO、N2、O2およびCH4)が濃縮した流れである画分F1’の形態で、有利には塔C1に搬送される。]
[0209] 画分F1が液体状態で抜き取られる場合、それは、好ましくはストリッピング塔である補助塔C1’に好ましくは搬送される。工程S1’はその結果この場合には好ましくはストリッピング工程である。]
[0210] 画分F1がガス状態で抜き取られる場合、それは、凝縮器にかまたは補助塔C1’に搬送されてもよい。]
[0211] 画分F1が凝縮器に搬送される場合には、画分F1の一部は、画分F1’の形態で、有利には凝縮され、主塔C1にリサイクルされるが、他の部分は有利には凝縮器から抜き出され、こうして画分Bを構成する。変形として、画分F1はまた、画分Bを生成するために部分的に凝縮されてもよく、残りは、画分F1’の形態で、塔C1にリサイクルされる。]
[0212] 画分F1が補助塔C1’に搬送される場合には、補助塔C1’は好ましくは精留塔、すなわち、精留部のみを含む塔である。補助塔C1’は有利には、関連補助装置、好ましくは凝縮器を備えつけられる。画分Bは有利にはそれから抜き出され、画分F1の残りは、そのときエチレンより揮発性が少ない不純物(エタン、少なくとも3個の炭素原子を含有する化合物)が濃縮した流れである画分F1’の形態で、有利には塔C1に搬送される。]
[0213] 画分F1がガス状態で抜き取られる場合、それは、好ましくは精留塔である補助塔C1’に好ましくは搬送される。工程S1’はその結果この場合には好ましくは精製工程である。]
[0214] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、画分F1が補助塔C1’に搬送される場合が最も特に好ましい。]
[0215] この最も特に好ましいものによれば、工程b)はそれ故特に好ましいやり方では:
−主塔C1内部での塔C1のトップでの画分Aへの、塔C1のボトムでの画分Cへのおよび塔C1の側面から抜き取られる画分F1への生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S1と、
− 塔C1’内部での塔C1’のトップでの塔C1に搬送される画分F1’へのおよび塔C1’のボトムでの画分Bへの画分F1の分離にある第2分離工程S1’と
を含む。]
[0216] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、画分F1が液体状態で塔C1から抜き取られ、そしてストリッピング塔である補助塔C1’に搬送される場合が真に最も特に好ましい。]
[0217] 上述の工程S1’はそのとき有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S1’は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0218] 工程S1’が行われる温度は、ストリッピング塔C1’のトップで、有利には少なくとも−70℃、好ましくは少なくとも−65℃、特に好ましいやり方では少なくとも−60℃である。それは、塔C1’のトップで、有利には高くても0℃、好ましくは高くても−10℃、特に好ましいやり方では高くても−15℃である。]
[0219] ストリッピング塔C1’のボトムでの温度は、少なくとも−30℃、好ましくは少なくとも−20℃、特に好ましいやり方では少なくとも−15℃である。それは、有利には高くても20℃、好ましくは高くても15℃、特に好ましいやり方では高くても10℃である。]
[0220] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、画分Bは有利には、画分F1が液体状態で抜き取られる場合には蒸発および膨張後に、または画分F1がガス状態で抜き取られる場合には膨張後に、両場合とも有利にはエネルギーを回収して、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。特に好ましいやり方では、画分Bは、画分F1が液体状態で抜き取られる場合には蒸発および膨張後に、有利にはエネルギーを回収して、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。]
[0221] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態の好ましい亜変形は、両塔が任意選択的に熱的に統合され、異なる圧力で動作し;1方の凝縮器が他方へのリボイラーとして働く、主塔C1と同一の補助塔C1’を用いて分離工程S1’を実施することである。]
[0222] 本発明による方法の工程b)の第2実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために画分工程S2と呼ばれる第1分離工程に、工程S2’と呼ばれる第2分離工程に、および工程S2”と呼ばれる第3分離工程にかけられる。]
[0223] 工程S2は有利には、塔(塔C2と呼ばれる)における2つの異なる画分、すなわち、塔C2のトップで出る画分F2と塔C2のボトムで出る画分Cとへの工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0224] 工程S2’は有利には、2つの異なる画分、すなわち、画分Aと画分F2’とへの画分F2の分離にある。]
[0225] 工程S2”は有利には、2つの異なる画分、すなわち、画分Bと画分F2”とへの画分F2’の分離にある。]
[0226] 本発明による方法の工程b)の第2実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは:
−主塔C2における塔C2のトップでの画分F2へのおよび塔C2のボトムでの画分Cへの生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S2と、
− 画分Aへのおよび画分F2’への画分F2の分離にある第2分離工程S2’と、
− 画分Bへのおよび画分F2”への画分F2’の分離にある第3分離工程S2”と
を含む。]
[0227] 特に好ましいやり方では、工程b)は上述の3つの工程を含むにすぎない。]
[0228] 塔C2へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、その定義が塔C1の説明において見いだされ得る、熱調節工程にかけられてもよい。]
[0229] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S2中に塔C2へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0230] 主塔C2は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0231] 塔C2は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C2は蒸留塔である。]
[0232] 工程S2はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0233] 塔C2は有利には、例えば少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0234] 最も揮発性の化合物に富む画分F2は有利には塔C2のトップで出るが、揮発性が最も少ない化合物に富む画分Cは有利には塔C2のボトムで出る。]
[0235] 上述の工程S2は有利には、少なくとも15バール、好ましくは少なくとも20バール、特に好ましいやり方では少なくとも25バールの圧力で行われる。工程S2は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0236] 工程S2が行われる温度は、塔C2のトップで、有利には少なくとも−70℃、好ましくは少なくとも−65℃、特に好ましいやり方では少なくとも−60℃である。それは、塔C2のトップで、有利には高くても−20℃、好ましくは高くても−30℃、特に好ましいやり方では高くても−40℃である。]
[0237] 塔C2のトップで出る画分F2は有利には、2つの異なる画分、すなわち、画分Aと画分F2’とへ分離されるように分離工程S2’にかけられる。]
[0238] 分離工程S2’は有利には、画分F2が溶媒を含有する洗浄剤と接触させられる吸収工程である。]
[0239] 本説明では、用語「溶媒を含有する洗浄剤」またはより簡単に「洗浄剤」は、溶媒が液体状態で存在する組成物を意味すると理解される。]
[0240] 本発明に従って使用されてもよい洗浄剤はそれ故有利には、液体状態で溶媒を含有する。前記洗浄剤中の、他の化合物の存在は、本発明の範囲から決して排除されない。しかしながら、洗浄剤が少なくとも50体積%、より特に少なくとも65体積%、特に好ましいやり方では少なくとも70体積%の溶媒を含有することが好ましい。]
[0241] 溶媒は有利には、アルコール、グリコール、ポリオール、エーテル、グリコールとエーテルとの混合物、炭化水素、炭化水素の混合物、鉱油ならびにDCEの中から選択される。炭化水素混合物の例は、C4、C5またはC6カットである。溶媒は好ましくは、アルコール、炭化水素、炭化水素の混合物、鉱油およびDCEの中から、より好ましくは共沸エタノール(有利には少なくとも70体積%、好ましくは少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも85体積%のエタノールの水性エタノール)およびDCEの中から選択される。溶媒は最も好ましくはDCEである。]
[0242] 工程S2’のために使用される洗浄剤は、任意の起源の新鮮洗浄剤からなり、例えば粗共沸エタノールまたはオキシ塩素化装置を出たDCEであり、そしてそれらは精製されておらず、前記洗浄剤は、前もって精製されるか、洗浄剤は、下に詳述される工程S2”中に回収され、任意選択的に新鮮洗浄剤で補足される。]
[0243] 好ましくは、工程S2’のために使用される洗浄剤は、任意選択的に新鮮洗浄剤で補足された、画分F2”からなる。特に好ましいやり方では、工程S2’のために使用される洗浄剤は、(工程S2’およびS2”中の洗浄剤の損失を補うために)新鮮洗浄剤で補足された画分F2”からなる。]
[0244] 本発明による方法の工程b)の第2実施形態の主な利点は、本発明による方法の第1実施形態(DCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物のならびにDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造されるエチレン誘導体化合物の製造)または第2実施形態(エチレンから出発して直接製造される唯一のエチレン誘導体化合物としてのDCEの製造)が考えられるとき、DCEがオキシ塩素化または塩素化中に主として形成される化合物であるので、このDCEの存在が全く面倒ではないという事実にある。]
[0245] 洗浄剤および画分F2から抜き出されるべきエチレンのそれぞれのスループット間の比は、決定的に重要であるわけではなく、大幅に変わることができる。それは実際に、洗浄剤の再生のコストによって制限されるにすぎない。一般に、洗浄剤のスループットは、画分F2から抜き出されるべきエチレンの1トン当たり少なくとも1トン、好ましくは少なくとも5トン、特に好ましいやり方では少なくとも10トンである。一般に、洗浄剤のスループットは、画分F2から抜き出されるべきエチレンの1トン当たり多くとも100トン、好ましくは多くとも50トン、特に好ましいやり方では多くとも25トンである。]
[0246] 工程S2’は有利には、例えば流下膜もしくは上昇膜吸収装置またはプレート塔、充填塔、構造化充填剤の塔、上述のインターナルの1つ以上を組み合わせた塔およびスプレー塔から選択される吸収塔C2’のような吸収装置を用いて行われる。工程S2’は好ましくは、吸収塔C2’を用いて、特に好ましいやり方ではプレート吸収塔C2’を用いて行われる。]
[0247] 塔C2’は有利には、例えば、少なくとも1つの凝縮器または塔の内部もしくは外部の1つの冷却器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0248] 上述の工程S2’は有利には、少なくとも15バール、好ましくは少なくとも20バール、特に好ましいやり方では少なくとも25バールの圧力で行われる。工程S2’は有利には、高くても40バール、好ましくは高くても35バール、特に好ましいやり方では高くても30バールの圧力で行われる。]
[0249] 工程S2’が行われる温度は、吸収装置のまたは塔C2’のトップで、有利には少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、特に好ましくは少なくとも10℃である。それは、吸収装置のまたは塔C2’のトップで、有利には高くても60℃、好ましくは高くても50℃、特に好ましくは高くても40℃である。]
[0250] 吸収装置または塔C2’のボトムでの温度は、少なくとも0℃、好ましくは少なくとも10℃、特に好ましいやり方では少なくとも20℃である。それは有利には高くても70℃、好ましくは高くても60℃、特に好ましいやり方では高くても50℃である。]
[0251] 画分F2’は有利には、2つの異なる画分、すなわち、画分Bと画分F2”とへ分離されるように分離工程S2”にかけられる。]
[0252] 分離工程S2”は有利には、画分Bが洗浄剤から抜き出される脱着工程である。]
[0253] 画分F2”を構成する工程S2”後に回収される洗浄剤は取り除かれ、任意選択的に、必要な場合中間のさらなる処理ありで、存在するとき完全にまたは部分的にオキシ塩素化セクションにまたは塩素化セクションに搬送されても、または新鮮洗浄剤を任意選択的に添加して工程S2’に搬送されてもよい。好ましくは、画分F2”は、新鮮洗浄剤を任意選択的に添加して工程S2’に搬送される。特に好ましいやり方では、画分F2”は、新鮮洗浄剤を任意選択的に添加して工程S2’に搬送される。]
[0254] 工程S2”は有利には、例えば流下膜もしくは上昇膜脱着装置、リボイラーまたはプレート塔、充填塔、構造化充填剤の塔、上述のインターナルの1つ以上を組み合わせた塔およびスプレー塔から選択される脱着塔C2”のような脱着装置を用いて行われる。工程S2”は好ましくは、脱着塔C2”を用いて、特に好ましいやり方ではプレート脱着塔C2”を用いて行われる。]
[0255] 塔C2”は有利には、例えば、少なくとも1つの凝縮器または塔の内部もしくは外部の1つの冷却器および少なくとも1つのリボイラーなどの関連補助装置を備えつけられる。]
[0256] 上述の工程S2”は有利には、少なくとも1バール、好ましくは少なくとも2バール、特に好ましいやり方では少なくとも3バールの圧力で行われる。工程S2”は有利には、高くても20バール、好ましくは高くても15バール、特に好ましいやり方では高くても10バールの圧力で行われる。]
[0257] 工程S2”が行われる温度は有利には、画分F2’中に含有されるエチレンの90%超、好ましくは95%超が画分B中に見いだされるように選択される。工程S2”が行われる温度は、脱着装置のまたは塔C2”のトップで、有利には少なくとも−10℃、好ましくは少なくとも0℃、特に好ましいやり方では少なくとも10℃である。それは、脱着装置または塔C2”のトップで、有利には高くても60℃、好ましくは高くても50℃、特に好ましいやり方では高くても40℃である。]
[0258] 脱着装置または塔C2”のボトムでの温度は、少なくとも60℃、好ましくは少なくとも80℃、特に好ましいやり方では少なくとも100℃である。それは、有利には高くても200℃、好ましくは高くても160℃、特に好ましいやり方では高くても150℃である。]
[0259] 本発明による方法の工程b)の第2実施形態によれば、画分F2が吸収塔C2’に搬送され、そして画分F2’が脱着塔C2”に搬送される場合が最も特に好ましい。]
[0260] この最も特に好ましいものによれば、工程b)はそれ故特に好ましいやり方では:
−主塔C2における塔C2のトップでの画分F2へのおよび塔C2のボトムでの画分Cへの生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S2と、
−吸収塔C2’における塔C2’のトップでの画分Aへのおよび塔C2’のボトムでの画分F2’への画分F2の分離にある第2分離工程S2’と、
−脱着塔C2”における塔C2”のトップでの画分Bへのおよび塔C2”のボトムでの画分F2”への画分F2’の分離にある第3分離工程S2”と
を含む。]
[0261] 本発明による方法の工程b)の第3実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために工程S3と呼ばれる第1分離工程に、および工程S3’と呼ばれる第2分離工程にかけられる。]
[0262] 工程S3は有利には、主塔(塔C3と呼ばれる)における2つの異なる画分、すなわち、塔C3のトップで出る画分F3と塔C3のボトムで出る画分Cとへの工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0263] 工程S3’は有利には、塔C3’における2つの異なる画分、すなわち、塔C3’のトップで出る画分Aと塔C3’のボトムで出る画分Bとへの画分F3の分離にある。]
[0264] 本発明による方法の工程b)の第3実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは:
−主塔3における塔C3のトップでの画分F3へのおよび塔C3のボトムでの画分Cへの生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S3と、
− 塔C3’における塔C3’のトップでの画分Aへのおよび塔C3’のボトムでの画分Bへの画分F3の分離にある第2分離工程S3’と
を含む。]
[0265] 特に好ましいやり方では、工程b)は上述の2つの工程を含むにすぎない。]
[0266] 塔C3へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、その定義が塔C1の説明において見いだされ得る、熱調節工程にかけられてもよい。]
[0267] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S3中に塔C3へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0268] 主塔C3は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0269] 塔C3は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含有する塔から選択される。好ましくは、塔C3は蒸留塔である。]
[0270] 工程S3はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0271] 塔C3は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0272] 最も揮発性の化合物に富む画分F3は有利には塔C3のトップで出るが、揮発性が最も少ない化合物に富む画分Cは有利には塔C3のボトムで出る。]
[0273] 上述の工程S3は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S3は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0274] 工程S3が行われる温度は、塔C3のトップで、有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、特に好ましいやり方では少なくとも−100℃である。それは、塔C3のトップで、有利には高くても−20℃、好ましくは高くても−30℃、特に好ましいやり方では高くても−40℃である。]
[0275] 塔C3のトップで出る画分F3は次に有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C3’のトップでの画分Aと塔C3’のボトムでの画分Bとへ分離されるように塔C3’で分離工程S3’にかけられる。]
[0276] 塔C3’は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0277] 塔C3’は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C3’は蒸留塔である。]
[0278] 工程S3’はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0279] 塔C3’は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0280] 上述の工程S3’は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S3’は有利には、高くても40バール、好ましくは高くても37バール、特に好ましいやり方では高くても35バールの圧力で行われる。]
[0281] 工程S3’が行われる温度は、塔C3’のトップで、有利には少なくとも−90℃、好ましくは少なくとも−85℃、特に好ましくは少なくとも−80℃である。それは、塔C3’のトップで、有利には高くても−40℃、好ましくは高くても−45℃、特に好ましくは高くても−50℃である。]
[0282] 塔C3’のボトムでの温度は、少なくとも−30℃、好ましくは少なくとも−25℃、特に好ましいやり方では少なくとも−20℃である。それは、有利には高くても20℃、好ましくは高くても15℃、特に好ましいやり方では高くても10℃である。]
[0283] 本発明による方法の工程b)の第4実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために工程S4と呼ばれる第1分離工程に、および工程S4’と呼ばれる第2分離工程にかけられる。]
[0284] 工程S4は有利には、主塔(塔C4と呼ばれる)における2つの異なる画分、すなわち、塔C4のトップで出る画分Aと塔C4のボトムで出る画分F4とへの工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0285] 工程S4’は有利には、塔C4’における2つの異なる画分、すなわち、塔C4’のトップで出る画分Bと塔C4’のボトムで出る画分Cとへの画分F4の分離にある。]
[0286] 本発明による方法の工程b)の第4実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは:
−主塔C4における塔C4のトップでの画分Aへのおよび塔C4のボトムでの画分F4への生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S4と、
− 塔C4’における塔C4’のトップでの画分Bへのおよび塔C4’のボトムでの画分Cへの画分F4の分離にある第2分離工程S4’と
を含む。]
[0287] 特に好ましいやり方では、工程b)は上述の2つの工程を含むにすぎない。]
[0288] 塔C4へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、その定義が塔C1の説明において見いだされ得る、熱調節工程にかけられてもよい。]
[0289] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S4中に塔C4へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0290] 主塔C4は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0291] 塔C4は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C4は蒸留塔である。]
[0292] 工程S4はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0293] 塔C4は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0294] 最も揮発性の化合物に富む画分Aは有利には塔C4のトップで出るが、揮発性が最も少ない化合物に富む画分F4は有利には塔C4のボトムで出る。]
[0295] 上述の工程S4は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S4は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0296] 工程S4が行われる温度は、塔C4のトップで、有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、特に好ましいやり方では少なくとも−100℃である。それは、塔C4のトップで、有利には高くても−20℃、好ましくは高くても−30℃、特に好ましいやり方では高くても−40℃である。]
[0297] 塔C4のボトムで出る画分F4は次に有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C4’のトップでの画分Bと塔C4’のボトムでの画分Cとへ分離されるように塔C4’での分離工程S4’にかけられる。]
[0298] 塔C4’は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0299] 塔C4’は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C4’は蒸留塔である。]
[0300] 工程S4’はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0301] 塔C4’は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0302] 上述の工程S4’は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S4’は有利には、高くても40バール、好ましくは高くても37バール、特に好ましいやり方では高くても35バールの圧力で行われる。]
[0303] 工程S4’が行われる温度は、塔C4’のトップで、有利には少なくとも−70℃、好ましくは少なくとも−65℃、特に好ましいやり方では少なくとも−60℃である。それは、塔C4’のトップで、有利には高くても0℃、好ましくは高くても−5℃、特に好ましいやり方では高くても−10℃である。]
[0304] 塔C4’のボトムでの温度は、少なくとも−20℃、好ましくは少なくとも−15℃、特に好ましいやり方では少なくとも−10℃である。それは、有利には高くても20℃、好ましくは高くても15℃、特に好ましいやり方では高くても10℃である。]
[0305] 本発明による方法の工程b)の第5実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために工程S5と呼ばれる第1分離工程に、工程S5’と呼ばれる第2分離工程に、および工程S5”と呼ばれる第3分離工程にかけられる。]
[0306] 工程S5は有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C5のトップで出る画分Aと塔C5のボトムで出る画分F5とへの主塔(塔C5と呼ばれる)での工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0307] 工程S5’は有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C5’のトップで出る画分F5’と塔C5’のボトムで出る画分Cとへの塔C5’での画分F5の分離にある。]
[0308] 工程S5”は有利には、2つの異なる画分、すなわち、塔C5”のトップで出る画分Bと塔C5”のボトムで出る画分F5”とへの塔C5”での画分F5’の分離にある。]
[0309] 本発明による方法の工程b)の第5実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは:
−主塔C5における塔C5のトップでの画分Aへのおよび塔C5のボトムでの画分F5への生成物の前記混合物の分離にある第1分離工程S5と、
− 塔C5’における塔C5’のトップでの画分Cへのおよび塔C5’のボトムでの画分F5’への画分F5の分離にある第2分離工程S5’と、
− 塔C5”における塔C5”のトップでの画分Bへのおよび塔C5”のボトムでの画分F5”への画分F5’の分離にある第3分離工程S5”と
を含む。]
[0310] 特に好ましいやり方では、工程b)は上述の3つの分離工程を含むにすぎない。]
[0311] 塔C5へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、その定義が塔C1の説明において見いだされ得る、熱調節工程にかけられてもよい。]
[0312] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S5中に塔C5へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0313] 主塔C5は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある]
[0314] 塔C5は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C5は蒸留塔である。]
[0315] 工程S5はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0316] 塔C5は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0317] 画分Aは有利には塔C5のトップから出るが、有利には少なくとも揮発性の化合物に富む、画分F5は有利には塔C5のボトムから出る。]
[0318] 上述の工程S5は有利には、少なくとも5バール絶対、好ましくは少なくとも10バール絶対、特に好ましくは少なくとも12バール絶対の圧力で実施される。工程S5は有利には、高くても40バール絶対、好ましくは高くても38バール絶対、特に好ましくは高くても36バール絶対の圧力で実施される。]
[0319] 工程S5が実施される温度は、塔C5のボトムで有利には少なくとも0℃、好ましくは少なくとも5℃、特に好ましくは少なくとも10℃である。それは、塔C5のボトムで有利には高くても80℃、好ましくは高くても60℃、特に好ましくは高くても40℃である。]
[0320] 工程S5が実施される温度は、塔C5のトップで有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、特に好ましくは少なくとも−100℃である。それは、塔C5のトップで有利には高くても0℃、好ましくは高くても−15℃、特に好ましくは高くても−25℃である。]
[0321] 塔C5のボトムで出る画分F5は次に有利には、画分F5を塔C5’内部で画分F5’へおよび重質画分(画分C)へ分離することからなる第2分離工程S5’にかけられる。]
[0322] 塔C5’へのその導入の前に、生成物の混合物は、例えば、アセチレン水素化などの、熱および/または化学的調節工程にかけられてもよい。用語「熱調節工程」は、エネルギーの使用を最適化する一連の熱交換、例えば、先ず冷却水で、次に氷冷水で、次に段々と冷えた液体で冷却される一連の交換器と、生成する流れの顕熱を回収するクロス交換器とでの生成物の混合物の漸次冷却を意味すると理解される。]
[0323] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S5’中に塔C5’へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0324] 塔C5’は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。両部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0325] 塔C5’は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つを含むにすぎない塔から選択される。好ましくは、塔C5’は蒸留塔である。]
[0326] 工程S5’はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0327] 塔C5’は有利には、例えば、少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。]
[0328] 有利には最も揮発性の化合物に富む、画分F5’は、有利には塔C5’のトップから出るが、有利には揮発性が最も少ない化合物に富む、重質画分Cは、有利には塔C5’のボトムから出る。]
[0329] 上述の工程S5’は有利には、少なくとも5バール絶対、好ましくは少なくとも8バール絶対、特に好ましくは少なくとも10バール絶対の圧力で実施される。工程S5’は有利には、高くても40バール絶対、好ましくは高くても37バール絶対、特に好ましくは高くても35バール絶対の圧力で実施される。]
[0330] 工程S5’が実施される温度は、塔C5’のボトムで、有利には少なくとも0℃、好ましくは少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも15℃である。それは、塔C5’のボトムで、有利には高くても90℃、好ましくは高くても86℃、特に好ましくは高くても83℃である。]
[0331] 工程S5’が実施される温度は、塔C5’のトップで、有利には少なくとも−65℃、好ましくは少なくとも−55℃、特に好ましくは少なくとも−50℃である。それは、塔C5’のトップで、有利には高くても5℃、好ましくは高くても0℃、特に好ましくは高くても−2℃である。]
[0332] 塔C5のボトムで出る画分F5は次に有利には、画分F5を塔C5’内部で画分F5’へおよび重質画分(画分C)へ分離することからなる第2分離工程S5’にかけられる。]
[0333] 画分F5’は、画分F5’を塔C5”内部でエチレンに富む画分(画分B)へおよびエタンから主としてなる画分F5”へ分離することからなる第3分離工程S5”にかけられる。]
[0334] 塔C5”へのその導入の前に、生成物の混合物は、例えば、アセチレン水素化などの、熱および/または化学的調節工程にかけられてもよい。用語「熱調節工程」は、エネルギーの使用を最適化する一連の熱交換、例えば、先ず冷却水で、次に氷冷水で、次に段々と冷えた液体で冷却される一連の交換器と、生成する流れの顕熱を回収するクロス交換器とでの生成物の混合物の漸次冷却を意味すると理解される。]
[0335] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S5”中に塔C5”へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0336] 主塔C5”は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。両部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0337] 塔C5”は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つを含むにすぎない塔から選択される。好ましくは、塔C5”は蒸留塔である。]
[0338] 工程S5”はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0339] 画分Bは有利には塔のトップから出るが、エタンから主としてなる、画分F5”は有利には塔のボトムから出る。]
[0340] 上述の工程S5”は有利には、少なくとも5バール絶対、好ましくは少なくとも6バール絶対、特に好ましくは少なくとも7バール絶対の圧力で実施される。工程S5”は有利には、高くても30バール絶対、好ましくは高くても25バール絶対、特に好ましくは高くても22バール絶対の圧力で実施される。]
[0341] 工程S5”が実施される温度は、塔C5のボトムで有利には少なくとも−50℃、好ましくは少なくとも−45℃、特に好ましくは少なくとも−40℃である。それは、塔C5”のボトムで有利には高くても10℃、好ましくは高くても0℃、特に好ましくは高くても−5℃である。]
[0342] 工程S5”が実施される温度は、塔C5”のトップで有利には少なくとも−70℃、好ましくは少なくとも−65℃、特に好ましくは少なくとも−60℃である。それは、塔C5”のトップで有利には高くても−15℃、好ましくは高くても−20℃、特に好ましくは高くても−25℃である。]
[0343] 本発明による方法では、蒸留塔の使用が述べられるたびに、それは、プレート蒸留塔、充填蒸留塔、構造化充填剤の蒸留塔および上述のインターナルの2つ以上を組み合わせた蒸留塔から選択されてもよい。]
[0344] 本発明による方法の異なる実施形態による分離工程は有利には熱的に統合される。熱的統合は好ましくは、直接にか、多かれ少なかれ冷たい温度レベルの1つ以上の冷凍サイクル、好ましくは低温での1つと中温での他方との2つの冷凍サイクルによってか、それらの組み合わせによってかのどれかで、より好ましくはそれらの組み合わせによって行われる。]
[0345] 冷凍サイクルは有利には、2個の炭素原子を含有する化合物、3個の炭素原子を含有する化合物またはそれらの混合物をベースとしている。2個の炭素原子を含有する化合物の中には、エチレン、エタンおよびそれらの混合物が挙げられてもよい。エチレンが好ましい。3個の炭素原子を含有する化合物の中には、プロピレン、プロパンおよびそれらの混合物が挙げられてもよい。プロピレンが好ましい。]
[0346] 低温サイクルおよび中温サイクルは好ましくは相互連結され、それは、低温サイクルの高熱源が中温サイクルの冷熱源であり、そして一方中温サイクルの高熱源が大気冷却塔からの水であることを意味する。低温サイクルは好ましくは2個の炭素原子の化合物を使用し、より好ましくは少なくとも95モル%のエチレンンを含有する。中温サイクルは好ましくは3個の炭素原子の化合物を使用し、より好ましくは少なくとも95モル%のプロパンまたは少なくとも95モル%のプロピレンを含有する。より好ましくは、中温サイクルは少なくとも95モル%のプロピレンを含有する。]
[0347] 本発明による方法の工程b)の第6実施形態によれば、工程a)に由来する生成物の混合物は有利には、画分A、画分Bおよび画分Cを得るために工程S6と呼ばれる一分離工程にかけられる。]
[0348] 工程S6は有利には、主塔(塔C6と呼ばれる)内部での3つの異なる画分、すなわち、塔C6のトップで出る画分A、塔C6のボトムで出る画分Cおよび塔C6の側面から抜き取られる画分Bへの工程a)に由来する生成物の混合物の分離にある。]
[0349] 本発明による方法の工程b)の第6実施形態によれば、工程b)はそれ故好ましくは、主塔C6内部での塔C6のトップでの画分Aへの、塔C6のボトムでの画分Cへの、塔C6の側面から抜き取られる画分Bへの生成物の前記混合物の分離にある一分離工程S6を含む。]
[0350] 塔C6へのその導入の前に、工程a)に由来する生成物の混合物は、熱調節工程にかけられてもよい。表現熱調節工程は、エネルギーの使用を最適化する一連の熱交換、例えば、先ず冷却水で、次に氷冷水で、次に段々と冷えた流体で冷却される一連の交換器と、生成する流れの顕熱を回収するクロス交換器とでの生成物の混合物の漸次冷却を意味すると理解される。]
[0351] 生成物の前記混合物は、単一画分としてかまたは幾つかのサブ画分として工程S6中に塔C6へ導入されてもよい。それは好ましくは幾つかのサブ画分として導入される。]
[0352] 主塔C6は有利には、ストリッピング部および/または精留部を含む塔である。これらの2つの部分が存在する場合、精留部が好ましくはストリッピング部の上にある。]
[0353] 塔C6は有利には、上述の2つの部分を含む蒸留塔およびこれら2つの部分の1つだけを含む塔から選択される。好ましくは、塔C6は蒸留塔である。]
[0354] 蒸留塔C6は、従来の蒸留塔および分割壁塔から選択することができる。]
[0355] 蒸留塔が分割壁塔である場合には、供給物は有利には分割壁部分に導入され、側流は、供給物が導入されるゾーン以外のゾーンで分割壁部分から抜き取られる。]
[0356] より好ましくは、塔C6は従来の蒸留塔である。]
[0357] 工程S6はそれ故好ましくは蒸留工程である。]
[0358] 塔C6は有利には、例えば少なくとも1つのリボイラーおよび少なくとも1つの凝縮器などの関連補助装置を備えつけられる。中間抜き取りおよび中間熱交換を可能にする装置が主塔に追加されてもよい。]
[0359] 最も揮発性の化合物に富む画分Aは有利には塔C6のトップで出るが、揮発性が最も少ない化合物に富む画分Cは有利には塔C6のボトムで出る。]
[0360] 画分Bに関しては、それは有利には、塔中を循環する液体またはスチームを集めることによって塔C6の側面から抜き取られる。この抜き取りは好ましくは液体に関して行われる。]
[0361] この抜き取りは、塔のストリッピング部でまたは精留部で行われてもよい。それは好ましくは精留部で行われる。精留部の中央第3番目での抜き取りが特に好ましい。精留部の中央第3番目での液体の抜き取りが最も特に好ましい。]
[0362] 上述の工程S6は有利には、少なくとも8バール、好ましくは少なくとも10バール、特に好ましいやり方では少なくとも12バールの圧力で行われる。工程S6は有利には、高くても45バール、好ましくは高くても40バール、特に好ましいやり方では高くても38バールの圧力で行われる。]
[0363] 工程S6が行われる温度は、塔C6のトップで、有利には少なくとも−140℃、好ましくは少なくとも−120℃、特に好ましいやり方では少なくとも−100℃である。それは、塔C6のトップで、有利には高くても−20℃、好ましくは高くても−30℃、特に好ましいやり方では高くても−40℃である。]
[0364] 本発明による方法の工程b)の第1実施形態によれば、画分Bは有利には、両方の場合に有利にはエネルギーを回収して、画分Bが液体状態で抜き取られる場合には蒸発および膨張後に、または画分Bがガス状態で抜き取られる場合には膨張後に少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。特に好ましいやり方では、画分Bは、有利にはエネルギーを回収して、画分Bが液体状態で抜き取られる場合には蒸発および膨張後にエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。]
[0365] 本発明による方法では、工程b)の第4および第5実施形態が好ましい。]
[0366] 画分Aおよび画分Bを特徴づけるために下に明示される量は、エチレン誘導体化合物のそれぞれの製造へのそれらの入場前のものである。]
[0367] 画分Bは有利には、20%より低い、好ましくは15%より低い、より好ましくは12%より低いエチレン以外の可燃性ガスの体積含有率で特徴づけられる。]
[0368] 画分Bは有利には、画分Bの総体積に対して2体積%以下、好ましくは0.5%体積以下、特に好ましいやり方では0.1体積%以下の水素含有率で特徴づけられる。]
[0369] 画分Bは有利には、20%より低い、好ましくは18%より低い、より好ましくは15%より低い不活性ガスの体積含有率で特徴づけられる。]
[0370] 画分Bは有利には、2%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い含酸素化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0371] 画分Bは有利には、1.8%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い酸素の体積含有率で特徴づけられる。]
[0372] 画分Bは有利には、0.00025%より低い、好ましくは0.0002%より低い、より好ましくは0.00015%より低い窒素酸化物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0373] 画分Bは有利には、0.2%より低い、好ましくは0.1%より低い、より好ましくは0.08%より低い腐食性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0374] 画分Bは有利には、0.005%より低い、好ましくは0.001%より低い、より好ましくは0.0005%より低い硫化水素の体積含有率で特徴づけられる。]
[0375] 画分Bは有利には、2%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い反応性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0376] 画分Bは有利には、0.02%より低い、好ましくは0.01%より低い、より好ましくは0.005%より低い一酸化炭素以外の反応性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0377] 画分Bは有利には、0.2%より低い、好ましくは0.1%より低い、より好ましくは0.05%より低い、最も好ましくは0.02%より低いアセチレンの体積含有率で特徴づけられる。]
[0378] 画分Bは、画分Bの総体積に対して有利には0.01体積%以下、好ましくは0.005体積%以下、特に好ましいやり方では0.001体積%以下の少なくとも3個の炭素原子を含有する化合物の含有率で特徴づけられる。]
[0379] 画分Bは有利には、0.001%より低い、好ましくは0.0005%より低い、より好ましくは0.0002%より低い触媒毒化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0380] 画分Bは有利には、画分Bの総体積に対して60体積%〜99.5体積%のエチレンを含有する。画分Bは有利には、画分Bの総体積に対して少なくとも60体積%、好ましくは少なくとも70体積%、特に好ましいやり方では少なくとも80体積%、より特に好ましいやり方では少なくとも85体積%のエチレンを含有する。画分Bは有利には、画分Bの総体積に対して多くとも99.5体積%、好ましくは多くとも99体積%、特に好ましいやり方では多くとも98.5体積%、より特に好ましいやり方では多くとも98体積%のエチレンを含有する。]
[0381] 画分Aは、エチレンより軽質である化合物に富む。これらの化合物は一般に、メタン、窒素、酸素、水素および一酸化炭素である。有利には、画分Aは、工程b)にかけられる生成物の混合物中に含有されるエチレンより軽質の化合物の少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましいやり方では少なくとも85%を含有する。有利には、画分Aは、工程b)にかけられる生成物の混合物中に含有されるエチレンより軽質の化合物の多くとも99.99%、好ましくは多くとも99.97%、特に好ましいやり方では多くとも99.95%を含有する。]
[0382] 画分Aは有利には、2%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い含酸素化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0383] 画分Aは有利には、1.8%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い酸素の体積含有率で特徴づけられる。]
[0384] 画分Aは有利には、0.00025%より低い、好ましくは0.0002%より低い、より好ましくは0.00015%より低い窒素酸化物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0385] 画分Aは有利には、0.2%より低い、好ましくは0.1%より低い、より好ましくは0.08%より低い腐食性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0386] 画分Aは有利には、0.001%より低い、好ましくは0.0005%より低い、より好ましくは0.0002%より低い硫化水素の体積含有率で特徴づけられる。]
[0387] 画分Aは有利には、2%より低い、好ましくは1%より低い、より好ましくは0.8%より低い反応性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0388] 画分Aは有利には、0.01%より低い、好ましくは0.005%より低い、より好ましくは0.001%より低い一酸化炭素以外の反応性化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0389] 画分Aは有利には、0.2%より低い、好ましくは0.1%より低い、より好ましくは0.05%より低い、最も好ましくは0.02%より低いアセチレンの体積含有率で特徴づけられる。]
[0390] 画分Aは、画分Aの総体積に対して有利には0.01体積%以下、好ましくは0.005体積%以下、特に好ましいやり方では0.001体積%以下の少なくとも3個の炭素原子を含有する化合物の含有率で特徴づけられる。]
[0391] 画分Aは有利には、0.0005%より低い、好ましくは0.0002%より低い、より好ましくは0.0001%より低い触媒毒化合物の体積含有率で特徴づけられる。]
[0392] 画分Aは有利には、それが画分Bのエチレンの体積含有率の10%〜90%を表すようなものである体積含有率のエチレンを含有する。画分Aは有利には、それが画分Bのエチレンの体積含有率の90%以下、好ましくは85%以下、特に好ましいやり方では80%以下であるようなものである体積含有率のエチレンを含有する。画分Aは有利には、それが画分Bのエチレンの体積含有率の少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、特に好ましいやり方では少なくとも20%であるようなものである体積含有率のエチレンを含有する。]
[0393] 画分Cは有利には、少なくとも3個の炭素原子を含む化合物を含有する。有利には、少なくとも3個の炭素原子を含むこれらの化合物は、工程a)に由来するエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物に由来するか、または工程b)中の副反応によって発生する。少なくとも3個の炭素原子を含む化合物の中には、プロパン、プロピレン、ブタンおよびそれらの不飽和誘導体ならびに飽和または不飽和のより重質の化合物全てが挙げられてもよい。]
[0394] 画分Cは有利には、工程b)にかけられる生成物の混合物中に含有される少なくとも3個の炭素原子を含む化合物の少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%および特に好ましくは少なくとも99%を含有する。]
[0395] 画分Cは有利には、画分Cの総重量に対して多くとも1重量%、好ましくは多くとも0.8重量%、特に好ましくは多くとも0.5重量%のエチレンを含有する。]
[0396] 画分Cは有利にはエチレンより重質の成分に富む。好ましくは、画分Cは燃料として燃やされるかまたは化学的に付加価値化される。より好ましくは、画分Cは化学的に付加価値化される。]
[0397] LVRG、好ましくはROGがエタンに非常に富む場合には、それを付加価値化するためにエタンを単離することは興味深いことであり得る。これらの状況では、本発明による方法は、エタンが画分Cに、塩素化に向けられるかまたは個々の画分として単離される画分Aと画分Bとの間の画分に導かれるように適合させることができる。]
[0398] エタンが画分Cに導かれる場合には、エタンは、さらなる蒸留塔を用いて画分C中に存在する重質炭化水素から分離することができる。エタンはまた、他の画分から(ボトムで抜き取られる)画分Cを単離するために使用される蒸留塔の側面からそれを抜き取ることによってか、または画分Cを単離するときに従来の蒸留塔の代わりに分割壁塔を使用することによって回収することができる。]
[0399] エタンが塩素化に向けられる画分に導かれる場合には、エタンは、好ましくはガス透過、パーベーパレーションまたは圧力スイング吸着の中間工程によって、塩素化のガス流出物から回収することができる。]
[0400] エタンが個々の画分として単離される場合には、それは工程b)中に他の画分から分離することができる。]
[0401] 回収された後に、エタンは、燃料として燃やすかまたは化学的に付加価値化することができる。エタンは好ましくは化学的に付加価値化される。エタンはそれ故より好ましくは、後でオキシ塩素化にかけられるエチレンを生成するために国際公開第2008/000705号パンフレット、同第2008/000702号パンフレットおよび同第2008/000693号パンフレットに記載されているようにオキシ脱水素化(ODH)にかけられる。]
[0402] 本発明による方法の工程c)によれば、画分Aおよび画分Bは別々に、少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される。]
[0403] 工程c)の前に、画分Aおよび/または画分Bは任意選択的に、特にDCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に向けられるときに、アセチレン水素化工程、引き続く任意選択的に乾燥工程にかけられる。好ましくは、DCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に向けられる画分Aおよび/または画分Bは、アセチレン水素化にかけられる。より好ましくは、直接塩素化によるDCEの製造に向けられる画分Aおよび/または画分Bは、アセチレン水素化工程、引き続く乾燥工程にかけられる。より好ましくは、オキシ塩素化によるDCEの製造に向けられる画分Aおよび/または画分Bは、乾燥工程なしのアセチレン水素化にかけられる。]
[0404] アセチレンの水素化は有利には、工程a8a)について先に記載されたように行われる。]
[0405] 有利には、画分Aのかかるアセチレン水素化の場合には、処理された画分Aは有利には、0.01%より低い、好ましくは0.005%より低い、より好ましくは0.002%より低い、最も好ましくは0.001%より低いアセチレン体積含有率で特徴づけられる。]
[0406] 有利には、画分Bのかかるアセチレン水素化の場合には、処理された画分Bは有利には、0.01%より低い、好ましくは0.005%より低い、より好ましくは0.002%より低い、最も好ましくは0.001%より低いアセチレン体積含有率で特徴づけられる。]
[0407] 第1実施形態によれば、本発明による方法は有利には、それがDCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物のならびにDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物のおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造を可能にするようなものである。]
[0408] この趣旨で、第1実施形態による本方法は好ましくは、工程a)およびb)の後に、c)画分Aおよび画分Bの中の一画分が、任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、DCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送され、そして一方他の画分がDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物のおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送されるようなものである。]
[0409] 第1実施形態によれば、DCEはより好ましくはさらに、VCを生成するためにDCE分解工程にかけられ、VCは最も好ましくは後で、PVCを生成するために重合される。]
[0410] 第1実施形態の第1変形によれば、本発明による方法は有利には、工程a)およびb)の後に、c)画分Aが、任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、DCEのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送され、そして画分BがDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物のおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送されるようなものである。]
[0411] 第1実施形態の第1変形の第1亜変性によれば、本方法は有利には、工程a)およびb)の後に、
c)画分Aが、任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、画分A中に存在するエチレンのほとんどが分子塩素との反応によってDCEに転化される塩素化反応器でのDCEの製造に搬送され、そして画分BがDCEとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物のおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送される;
d)得られたDCEが塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離される;
e)分離されたDCEがDCE分解工程にかけられ、こうしてVCおよび塩化水素を生成する;ならびに
f)得られたVCおよび塩化水素がDCE分解工程に由来する生成物の流れから分離されるようなものである。]
[0412] 塩素化反応(普通は直接塩素化と呼ばれる)は有利には、FeCl3または別のルイス(Lewis)酸などの溶解触媒を含有する液相(好ましくは主にDCE)で実施される。この触媒をアルカリ金属塩化物などの共触媒と有利に組み合わせることが可能である。良好な結果を与えたペアは、FeCl3とLiClとの錯体(リチウムテトラクロロフェラート−オランダ国特許出願第6901398号明細書に記載されている)である。]
[0413] 有利に使用されるFeCl3の量は、液体ストックの1kg当たり約1〜30gのFeCl3である。FeCl3対LiClのモル比は有利にはおよそ0.5〜2である。]
[0414] 加えて、塩素化反応は好ましくは塩素化有機液体媒体中で行われる。より好ましくは、液体ストックとも呼ばれる、この塩素化有機液体媒体は主にDCEからなる。]
[0415] 本発明による塩素化反応は有利には、30〜150℃の温度で行われる。良好な結果は、沸点より下の温度(サブクールされた条件下での塩素化法)でおよび沸点そのもの(沸点での塩素法)での両方で圧力にかかわらず得られた。]
[0416] 本発明による塩素化プロセスがサブクール条件下の塩素化プロセスであるとき、それは、有利には50℃以上、好ましくは60℃以上、しかし有利には80℃以下、好ましくは70℃以下の温度で、そして有利には1バール絶対以上、好ましくは1.1バール絶対以上、しかし有利には20バール絶対以下、好ましくは10バール絶対以下、特に好ましくは6バール絶対以下の気相での圧力で操作することによって良好な結果を与えた。]
[0417] 沸点での塩素化方法が反応熱を役立つように回収するために好ましいかもしれない。この場合、反応は有利には、60℃以上、好ましくは70℃以上、特に好ましくは85℃以上、しかし有利には150℃以下、好ましくは135℃以下の温度で、そして有利には0.2バール絶対以上、好ましくは0.5バール絶対以上、特に好ましくは1.1バール絶対以上、より特に好ましくは1.3バール絶対以上、しかし有利には1.3バール絶対以下、好ましくは6バール絶対以下の気相での圧力で行われる。]
[0418] 塩素化プロセスはまた、沸点での塩素化のためのハイブリッド・ループ冷却プロセスであってもよい。表現「沸点での塩素化のためのハイブリッド・ループ冷却プロセス」は、形成されたDCEの少なくともその量を気相に生成しながら、反応媒体の冷却が、例えば反応媒体中に浸漬された交換器を用いてか、または交換器中を循環するループによって実施されるプロセスを意味すると理解される。有利には、反応温度および圧力は、生成したDCEが気相にあるままにし、かつ、反応媒体からの熱の残りが交換表面積によって除去されるように調整される。]
[0419] 塩素化を受ける画分およびまた分子塩素(それ自体純粋なまたは希釈された)は、一緒にかまたは別々に、任意の公知の装置によって反応媒体へ導入されてもよい。塩素化を受ける画分の別個の導入が、その分圧を高め、そしてプロセスの律速段階を多くの場合に構成するその溶解を容易にするために有利である可能性がある。]
[0420] 分子塩素がエチレンのほとんどを転化するのに十分な量で、かつ、過剰の未転化塩素の添加を必要とせずに加えられる。用いられる塩素/エチレン比は、好ましくは1.2〜0.8モル/モル、特に好ましくは1.05〜0.95モル/モルである。]
[0421] 得られた塩素化生成物は主にDCE、そしてまた1,1,2−トリクロロエタンなどの少量の副生物または少量のエタンもしくはメタン塩素化生成物を含有する。]
[0422] 塩素化反応器に由来する生成物の流れから得られるDCEの分離は、公知のモードに従って実施され、一般に塩素化反応の熱を利用することを可能にする。それは次に好ましくは、凝縮および気/液分離によって実施される。]
[0423] 未転化生成物(メタン、エタン、一酸化炭素、窒素、酸素および水素)は次に有利には、最初の混合物から出発して純エチレンを分離するために必要であったであろうものより容易な分離にかけられる。]
[0424] 特に水素は未転化生成物から抜き出し、例えば過酸化水素製造における作業溶液の水素化のためかまたは過酸化水素の直接合成のためのように付加価値化することができる。]
[0425] DCE分解工程が実施されてもよい条件は、当業者に公知である。DCE分解は、その中に触媒を挙げることができる第3化合物の存在下にまたは不存在下に行うことができ;DCE分解はこの場合には接触DCE分解である。しかしながら、DCE分解は好ましくは、第3化合物の不存在下に、熱のみの作用下に行われ;DCE分解はこの場合にはしばしば熱分解と呼ばれる。]
[0426] この熱分解は有利には、管型炉での気相反応によって得られる。通常の熱分解温度は400〜600℃であり、480℃〜540℃の範囲が好ましい。滞留時間は有利には1〜60秒であり、5〜25秒の範囲が好ましい。DCEの転化率は有利には、副生物の形成および管型炉の管の汚れを制限するために45〜75%に制限される。]
[0427] 熱分解に由来する生成物の流れから得られるVCと塩化水素との分離は、精製されたVCおよび塩化水素を集めるために、任意の公知の装置を使用して、公知のモードに従って実施される。精製後に、未転化DCEは有利には熱分解炉に搬送される。]
[0428] 第1実施形態の第1変形のこの第1亜変形によれば、VCは好ましくは後で、PVCを生成するために重合される。]
权利要求:

請求項1
低価値残留ガスから出発する少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造方法であって、a)低価値残留ガスが、その中に存在する望ましくない成分を除去するためにならびにエチレンおよび他の成分を含有する生成物の混合物を得るために低価値残留ガス回収装置での一連の処理工程にかけられ;b)生成物の前記混合物が、エチレンの一部を含有する、エチレンより軽質である化合物に富む画分(画分A)へ、エチレンに富む画分(画分B)へおよび重質画分(画分C)へ分離され;c)画分Aおよび画分Bが別々に少なくとも1つのエチレン誘導体化合物の製造に搬送される方法。
請求項2
工程a)およびb)の後に、c)画分Aおよび画分Bのうちの一方の画分が、任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、1,2−ジクロロエタンのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送され、そして一方では、他方の画分が、1,2−ジクロロエタンとは異なるエチレンから出発して直接製造される少なくとも1つのエチレン誘導体化合物のおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送される請求項1に記載の方法。
請求項3
工程a)およびb)の後に、c)画分Aおよび画分Bが両方とも、任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、1,2−ジクロロエタンのおよび任意選択的にそれから誘導される任意の化合物の製造に搬送される請求項1に記載の方法。
請求項4
工程a)およびb)の後に、c)任意選択的にアセチレン水素化にかけられた後に、画分Aが塩素化反応器に、そして画分Bがオキシ塩素化反応器に搬送され、それらの反応器で画分AおよびB中に存在するエチレンのほとんどが1,2−ジクロロエタンに転化される;ならびにd)得られた1,2−ジクロロエタンが塩素化およびオキシ塩素化反応器に由来する生成物の流れから分離される請求項3に記載の方法。
請求項5
1,2−ジクロロエタンが塩化ビニルを生成するためにDCE分解工程にかけられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6
塩化ビニルがPVCを生成するために重合されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
請求項7
前記低価値残留ガスが製油所オフガスであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8
前記製油所オフガスが少なくとも1つの流動接触分解装置で生成されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
請求項9
前記低価値残留ガスが、エチレンおよび/またはそれの前駆体を含有する数種のガスの混合物であり、10〜60重量%のエチレンを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10
前記低価値残留ガスが乾燥ガス1kg当たり20〜75MJの範囲の低位発熱量で特徴づけられる請求項9に記載の方法。
請求項11
画分Bが、画分Bの全体積に対して60体積%〜99.5体積%のエチレンを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12
画分Aが、画分Bのエチレンの体積含有率の10%〜90%を表わすようなものである体積含有率のエチレンを含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13
画分Cが燃料として燃やされるかまたは化学的に付加価値化されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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